docomo EVERYDAY北陸初のフットボール専用スタジアム開業に向けたドコモのネットワーク対策プロジェクト
「金沢ゴーゴーカレースタジアム」は、2024年2月に開業した北陸初のフットボール専用スタジアム。
ここでは、最新技術であるマルチユーザMassive MIMOを用いた高速5G通信を体感いただくことができます。
この記事では、スタジアム設立構想から開業まで、快適な通信を実現するために私たちが取組んだネットワーク対策の一部を紹介いたします。
スタジアムにおけるネットワーク対策の難しさ
大規模かつ一挙に来場者が集まるスタジアムでは、電波の干渉や基地局の周波数リソースが枯渇しやすいことから、通信を確保することが難しい環境となります。
一方で近年は、二次元バーコードを使った電子チケットや、グッズ・飲食の電子決済が主流になっており、通信がスムーズに行えるエリアを提供することは私たち通信キャリアにとって非常に重要な課題となっています。
そうした状況を踏まえ、私たちは「金沢ゴーゴーカレースタジアム」に対する最適なネットワーク対策について社内で何度も議論を重ね、計画を進めてきました。
マルチユーザMassive MIMOを活用した5G対策
「マルチユーザMassive MIMO」は従来の通信方式を超える速度の通信を可能にする先進的な通信技術です。
多数のアンテナ搭載した専用の装置を用いることで、一人ひとりに高品質なエリアと専用の周波数リソースを提供することができ、混雑時でも快適な通信環境を実現しやすくなります。
マルチユーザMassive MIMOはスタジアムのような混雑施設に最適な対策手段であることから、私たちはこの技術を「金沢ゴーゴーカレースタジアム」に導入することにしました。
容量効果を高めるチューニングの取組み
マルチユーザMassive MIMOは優れた技術ではありますが、単に設置をするだけでは、十分な効果を得ることはできません。
周辺の基地局とのエリアの棲み分けを行い、人流が滞留する場所の通信品質を最大化することで、同じ設備でもより高い容量効果が得られます。
そこで私たちは、入場口・観客席・飲食エリアなどの人が集まることが想定されるエリアで高品質なネットワーク環境を提供するため、開業前からエリアチューニングに取組んできました。
スタジアムのネットワーク対策の効果は?
明治安田J3リーグ開催の混雑時間帯に実際に赴き、スタジアム内で通信速度の測定を行った結果がこちら。
実際にこの環境であれば、スポーツ観戦アプリでハイライトを振り返ったり、スポーツニュースアプリで他チームの試合状況を見ながら、試合を観戦することもできるかと思います。
冒頭のご紹介のとおり、混雑時では通信速度が大幅に低下しやすい傾向がありますが、試合開始前・ハーフタイム・試合終了後など、お客さまが携帯電話を一斉にご利用されるタイミングでも、快適な通信をご提供しています。
対策がゴールではない。エリア品質の取組み
「金沢ゴーゴーカレースタジアム」の収容人数は現在約1万人ですが、実は将来的には収容人数を1.5万人まで拡張することも可能と公表されています。
通信データ量は年々増加傾向であり、これに重ねて人流が増加した場合、現状の設備のままでは通信品質が低下する可能性が考えられます。
街並みの変化、トラヒックの変化、技術の進化、お客さまのご利用シーンの変化。あらゆる「変化」に対して、私たちネットワークエンジニアは、アンテナを常に高く立て、素早くアクションに移すことが重要なミッションとなります。
ドコモは今後も、全国各地で快適な通信品質を提供するために、さまざまな技術を用いてエリア改善に努めていきます。
ぜひ、スタジアムにお越しの際は、快適な通信を体感してみてくださいね。