誰もが使えるファクトチェック支援ツールをめざして

docomo EVERYDAY誰もが使えるファクトチェック支援ツールをめざして

普段SNSを見ていて、どこか怪しいと感じる画像や動画に出くわしたことはありませんか?データを巧みに偽造・改ざんしてつくられたフェイクコンテンツの蔓延は大きな社会問題となっています。そこでドコモが注目したのが、画像や動画などのコンテンツが「いつ、どこで、どのデバイスで撮影され、どのように編集されたか」といった来歴情報であるメタデータ。このメタデータを活用することで、コンテンツの真正性を裏づける仕組みの開発を進めています。今回は、その技術の仕組みやシステムに込めた想いを紹介します。

コンテンツのファクトチェックにおける課題

現在、デジタルコンテンツの信頼性を守るためのファクトチェックの枠組みとして、C2PA(Coalition for Content Provenance and Authenticity)というコンテンツの来歴管理を行う国際的な規格が用いられています。これは、画像や動画などのコンテンツの撮影日時、場所、編集日時などの履歴情報であるメタデータをコンテンツのなかに埋め込む仕組みです。
しかし、C2PAはあくまで「メタデータの形式」を定めるもの。メタデータそのものの真正性までを追うことは難しいのが実情です。たとえば、外国で起こった山火事の画像を位置情報偽造アプリなどで位置情報を変更し、SNSに投稿して「今、日本で大きな山火事が発生している」と、あたかも現在起きているニュースのように伝えることができてしまいます。
こうした状況に対処するため、ドコモは独自のファクトチェック支援技術を開発するプロジェクトをスタートさせました。

テスト段階のチェック画面
【テスト段階のチェック画面】

総務省事業にて開発されたファクトチェック支援技術

このプロジェクトを立ち上げた頃からAIも急速に発達し、正しい情報を見極めることはこれまで以上に難しくなっていました。そのような状況のなか、ドコモはメタデータの真正性を裏づける仕組みづくりをめざし、利用者が簡単にファクトチェックできるツールの開発をはじめたのです。
そして2025年、総務省が「インターネット上の偽・誤情報等への対策技術の開発・実証事業(令和7年度)」の公募を開始。この技術の目的とまさに合致しているため、ドコモはNTTドコモビジネス株式会社と連携して参画する形で応募したところ、その有用性が認められ、無事に採択されました。こうして、実用化に向けた開発・実証実験が本格的にスタートしました。

コンテンツの真正性を検証する仕組み

思い描いた技術をどう具現化するか。ドコモがたどり着いたのは「真正性チェックモジュール」。これは、撮影した画像に含まれる位置・日時などの情報の真正性を検証するドコモ独自の技術です。具体的には、画像を撮影した正確な日時・場所などの情報が端末で付与され、その付与された情報がWebサイトで確認できるようになるというものになります。
たとえばスマートフォンで撮影した画像であれば、GPS情報やドコモの基地局の位置情報、信頼のおける情報元が提供している情報など、複数の根拠となるデータを用いて撮影された画像が改ざんされていないかを検証します。そしてその検証結果をメタデータとして付与することで、位置・日時情報の真正性を担保します。コンテンツの発信者にとって「自分が作ったこのコンテンツは正しい情報に基づいている」と説明できる点がメリットです。この技術が社会実装され、社会のあたりまえになれば、悪意あるフェイクコンテンツの作成を未然に防ぐ対策としての効果も期待できます。

真正性検証モジュールを組み込んだアプリの画面イメージ

通信会社がフェイクコンテンツに立ち向かう意義

もう一つ、ドコモが重視しているのが、コンテンツを受け取る人にとってのメリットです。将来的には、受信者側でもファクトチェックが容易にできる仕組みの実現をめざしています。誰もが直感的に把握できるグラフィカルなインターフェースに仕上げようと、日々改良を重ねているところです。

ファクトチェック画面

確かな情報を届ける通信インフラの役割として、社会に広がるフェイクコンテンツの課題に取組むことは、大きな意義があると考えています。今回紹介した技術も、その一端を担う取組みです。
ドコモの企業理念である「新しいコミュニケーション文化の世界の創造」を実現するためにも、フェイクコンテンツの拡散を抑え、誰もがあんしんして情報に触れられる環境づくりへの取組みは欠かすことができません。早期のファクトチェック支援技術の社会実装をめざして、ドコモは引き続き取組みを進めていきます。

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