
docomo EVERYDAYMCPCアワードで優秀賞を受賞した
「HealthTech基盤」
ドコモが描く健康の未来
普段、ご自身の健康診断の結果をどのように活用されていますか?結果を見て一喜一憂するだけで終わってしまうことも多いかもしれません。今ドコモのAI技術が、みなさんの健康管理のあり方を変えようとしています。その名前は、「HealthTech(ヘルステック)基盤」。今回は、「MCPC award 2025」で優秀賞を受賞したこの技術を紹介しながら、お客さまの健康を支えたいという開発チームの想いを紐解きます。
健康を支える「プラットフォーム」の正体
2025年、ドコモの「HealthTech基盤」が、「MCPC award 2025」のサービス&ソリューション部門において優秀賞を受賞しました。「MCPC award」とは、AIやモバイルを活用し、社会課題の解決に貢献した事例を表彰する、権威ある賞の一つです。
今回受賞した「HealthTech基盤」とは、スマートフォンのログからさまざまな健康状態を推定する、ドコモ独自のAI「ヘルスケアAI」をより使いやすくする“プラットフォーム(共通の土台)”のことです。お客さまのスマートフォンに記録される歩数や睡眠時間などの生活習慣データを、AIが学習しやすい形式で統合し、高度なセキュリティで守りながら、任意のヘルスケアAIを通して解析を行います※1。
この土台のおかげで、企業や自治体はゼロからAI開発を行う必要がありません。免疫の状態や、加齢とともに生じる心身の虚弱などを推定する各種ヘルスケアAIを、自らが提供するサービスのなかに組み込めるようになりました。
こうした技術を広く社会に開き、健康寿命を伸ばそうとする姿勢が高く評価されたのです。
開発チームの担当者は、その想いを次のように語ります。
「スマートフォンは、今やお客さまの生活の一部です。だからこそ、そこから見えてくる気づきを活かして、社会課題である『医療費の抑制』や、一人ひとりの『自分らしい生活』を守ることに貢献できるはずです。“通信をつなぐだけではなく、お客さまの健やかな毎日をつなぐ存在でありたい”それが開発の原動力です。」
専門医とともに磨き上げた「信頼」の技術
この技術が開発されたきっかけは、「24時間365日、長い時間一緒にいるスマートフォンなら、持ち主の生活習慣を誰よりもよく知っているのでは?」というひらめきでした。
わざわざデータを入力しなくても、スマートフォンのログから日常の健康リスクが見えてくるはず。しかし、その道のりは決して平坦ではありませんでした。
「当初は社内からも、『本当にスマホのデータだけで健康状態がわかるの?』といった疑問の声もありました。仮に技術としては可能だとしても、それを『信頼できるサービス』として提供できるようになるには、高いハードルがありました。」
それでもチームが開発を諦めなかったのは、「健康寿命の延伸や医療費・介護費の低減に貢献するため、病気になってから対処するのではなく、なる前の『未病』の段階で気づきを与えたい」という強い想いがあったからです。
まず「信頼できるサービス」として認めてもらうため、開発チームは各疾患の権威である専門医や大学教授に協力を仰ぎ、医学的な根拠に基づいたAIモデルを設計。“なんとなくリスクがある”ではなく、“医学的な根拠に基づいた信頼できるアドバイス”であることに徹底的にこだわりました。その上で、実際にお客さまの生活に変化を与えられるかを確かめるため、自治体と協力して実証実験を繰り返し行いました。こうした地道な努力が実を結び、今では多くの企業や自治体に採用される技術に成長しました。
1年後の自分が見える「健診予測AI※2」
この「HealthTech基盤」を土台に開発されたヘルスケアAIが、「健診予測AI」です。
これは、過去の定期健康診断のデータと、日々の歩数やBMI(体格指数)といったスマートフォンに蓄積される生活習慣データを掛け合わせて、“もし今の生活を続けたら、1年後の検査値はどうなるか?”をAIが定期的に予測するものです。予測ができるのは、生活習慣病の指標となるHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)※3や中性脂肪などが悪化するリスクです。
健診データだけでなく日々の生活習慣データも考慮するため、たとえば“先週は運動不足だった”という変化をキャッチし、健康リスクとしてお客さまへ伝えることができます。
また、単にリスクがあることを伝えるだけではなく、改善のための具体的なアドバイスを、利用者の生活習慣を踏まえたメッセージとしてスマートフォンへ通知します。無理なく生活習慣を見直すきっかけを作っています。
実際にこの「健診予測AI」は、すでに社会実装が進んでおり、2025年2月には、山形県山形市の健康アプリ「SUKSK(スクスク)」を通じて山形市民への提供がスタートしています。このような行政サービスへの実装は全国でも初の事例※4であり、アプリ利用者がポジティブな健康意識の変化を実感している点も高く評価され、「5G・IoT・AIコンソーシアム」より2025年度のDX大賞を受賞しました。
「いつの間にか健康」になる未来へ
ヘルスケアAIの開発チームは、今回の受賞を次のように語ります。
「ドコモの技術が認められたことは、率直にうれしいです。ただ、これはあくまでもスタート地点です。この技術の価値をお客さまにしっかり届けていく責任を、改めて感じています。」
ドコモがめざすのは、スマホを使っているだけで意識が変わり、自然と健康をめざせる未来です。「健康のためにこれをしなさい」と強制するのではなく、「あ、ちょっと歩いてみようかな」と日常のなかで思えるような、さりげない気づきでお客さまの生活に寄り添いたいと考えています。
ドコモはこれからも、「健診予測AI」などのAI技術をアプリと連携させ、みなさまが自然と健康になれる社会をめざして取組みを続けていきます。
- データの分析・活用は、お客さまご本人の同意がある場合にのみ行われます。
- 「健診予測 AI」は、疾病の診断・治療・予防を意図しておらず、利用者への情報提供のみを行います。
- HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)は、糖化ヘモグロビンがどの程度の割合で存在しているかをパーセント(%)で表したものです。血糖値の低い状態が継続すると、ヘモグロビンに結合するブドウ糖の量が少なくなるため、HbA1cは低くなります。血糖値の高い状態が継続すると、ヘモグロビンに結合するブドウ糖の量が多くなるため、HbA1cは高くなります。
- 2025年2月時点、ドコモ調べ。