
docomo EVERYDAYAI活用で監修時間6割削減!
キャラクター産業を革新する「AIPEX」の挑戦
今回は2025年9月16日にドコモの社内新規事業創出プログラム「docomo STARTUP」からスピンアウトした企業、株式会社AIPEXをご紹介!株式会社AIPEXはAIを活用したIP(知的財産権)監修プラットフォーム「AIPEX(アイペックス)」を開発・運営しています。
株式会社AIPEXの創業メンバーのみなさんは、ドコモの新規事業創出プログラム「docomo STARTUP」に参加し、ついにスピンアウトを果たしました!
今回は、創業メンバーのみなさんに、これまでの道のりや起業のリアルを語っていただきました!
▶株式会社AIPEXコーポレートサイト:https://aipex.co.jp/
この3名からはじまった株式会社AIPEX
――はじめに、みなさんのことについて教えてください。
大城さん:私は新卒でドコモに入社後、ドコモビジネスに出向し、5GやIoTなどの先端サービスの技術支援の仕事をしていました。その後、生成AIの自社サービスを開発する専門チームで、販売推進などを担当しました。AIPEXでは社長(代表取締役CEO)を務めております。
奥村さん:私も新卒でドコモに入社、ドコモビジネスに出向して、海外スタートアップのドローン商材の法人向け技術営業、先端技術のPoC、販売・導入支援などを経験しました。AIPEXではCOO(最高執行責任者)としてバックオフィス全般をマネジメントしながら、営業支援もしています。
中里さん:私は新卒でドコモビジネスに入社し、プロダクトエンジニアとして、バーチャルオフィスツール「NeWork(ニュワーク)」の開発・運用に従事しました。AIPEXではCTO(最高技術責任者)に就任し、仕様の検討や開発メンバーのマネジメントなどをしています。
――AIPEXのIP監修事業とは、どのようなものでしょうか?
大城さん:既存のキャラクターなどのIPを企業が商用利用したい場合、版権元(IPホルダー)に申請して許諾を取らなければいけません。このとき、版権元はIPのブランド価値を維持するため、ライセンシー(IP使用者)の商品案を確認し、そこで問題が見つかればライセンシーにそれを伝え、ライセンシーは修正を施します。この監修にまつわる両者のやりとりや確認作業を、われわれのプラットフォーム上で、AIの力を借りながら完結することで、監修業務を格段に効率化できます。
――事業アイデアはどんなところから生まれましたか?
大城さん:日本のキャラクタービジネスは世界でも存在感を持つ重要な産業ですが、そのわりに、少なくとも監修の領域ではDXが遅れています。人力による目視確認が中心で、アナログ的なんですよね。そこで、私が仕事で生成AIに携わっていたこともあり、この課題にAIを組み合わせる事業案を練っていきました。複数のIPホルダーとの実証実験では、監修にかかる作業時間を平均6割削減できました。また、AIを活用することで、抜け漏れなく確認することに成功しています。キャラクター、アニメ、マンガをはじめとするIPを持つ出版社やゲーム会社などへの導入を推進し、ライセンスビジネスにおける標準的な監修インフラとなることをめざします。そして、日本のキャラクターを世の中に出していくサポートができる“すごい”サービスだと自負しています!
創業メンバーとの出会いと起業への決意
――創業メンバーのお三方は、どのように集まったのでしょうか?
大城さん:三人とも同期で今、新卒4年目なんです。特に私と奥村は新入社員研修の1日目から一緒だったので、私から誘ってチームに入ってもらいました。中里とは「docomo STARTUP」のチーミングイベントで出会いました。私たちのターゲットはクリエイター業界なので、デザインにもこだわりたいところでした。デザインエンジニアの彼はチームにまさに必要な人材で、即日、ミーティングを申込みました。
――大城さんのチームに参加しようと思った決め手を教えてください
奥村さん:監修という着眼点が新しくて興味をそそられましたし、大城の人柄やスキルの高さも知っていたので、ついていこうと決めました。ワークショップなどでも彼から教わることは多くて、同期でこんなにデキる人がいるんだ、と感心していたんです。
中里さん:私が誘われた時点で、大城チームの事業案にはすでに数社が興味を示していて、実際に業界から求められるものだとわかったので、やってみたいと思いました。大城は打ち合わせから「もう、うちのチームメンバーだよね!?」というノリで、私は彼のそういうところを「インクルーシブ力」と呼んでいるのですが、それにやられました。
大城さん:(中里さんに)いろいろ声がかかっているのは知っていたので、「うちに入ってくれるなら今から飲みに行こうよ」「今ならハーゲンダッツおごるよ!」と誘って、打ち合わせから一気に畳みかけましたね(笑)
――どの段階で起業を意識しましたか?
大城さん:2024年のdocomoSTARTUPプログラムのなかでのピッチイベントがきっかけになりました。「docomo STARTUP」の参加者が事業アイデアを発表するピッチ大会なんですが、この3人で出場して、金賞(最高賞)をいただきました。審査員としてドコモやドコモビジネスの社長、ベンチャーキャピタル(以下、VC)のみなさんが発表を聞いて関心を寄せてくださったことも自信になりました。
――受賞の裏側には相当な努力があったのでは?
大城さん:4分間のピッチを本番までに100回は練習しました。かなり躍動的なピッチだったんですが、その動きも全部、事前に振り付けとして覚えました。
奥村さん:最終審査で発表するのは代表1名ですが、「ここで一歩前に!」「ここで振り返る?」など、みんなで動きを考え、大城の練習を見守って、意見を言ったりしましたね。
――大きな会社からスピンアウトすることにためらいはありませんでしたか?
大城さん:私はこのアイデアがどこまでいけるのか楽しみな気持ちのほうが勝ちました。リーダーとしてみんなを引っ張る立場ですし、尻込みする気持ちはなかったですね。
奥村さん:ドコモの社員として出向の形で新会社に挑戦できるなど、最初の一歩を踏み出しやすい制度設計になっているので。大城が意思決定したタイミングで、私は“ついていきます!”という気持ちになっていました。
中里さん:サービス開発では小さな会社のほうが、裁量が大きい分やりがいも感じやすいだろうと思って、私はそうしたところにも起業の魅力を感じていました。
成長を加速させた「docomo STARTUP」のサポート
――起業に対する「docomo STARTUP」のサポートで特にありがたかったのはどんなことですか?
大城さん:「docomo STARTUP」では、事業創出のプロ(ドコモ社員)がメンターとしてチームに伴走してくれることになっていて、とても心強かったです。「docomo STARTUP」のメンターが、社内の制度や仕組みに精通しているだけでなく、VCとしての業務経験もあることから、出資者が気に掛ける部分などもよくご存じで、いいアドバイスをいただきました。レスポンスが速く、知りたいことをすぐ教えてもらえるのも助かりました。
――「docomo STARTUP」を通して得られたものがたくさんあったのですね。
大城さん:そうですね。たとえば、営業支援の場合、あるサービスの担当になると、どうしてもそのサービスの良さをお客さまに語りがちになってしまう。でも、お客さまは自分の会社でいうと「どこで役立つのか?」「どんな業務が楽になるのか?」、それが知りたいはずなんですよ。「docomo STARTUP」では、そういう考え方を徹底していくので、本業の提案や資料作成もおのずと変わってきます。別に会社を作らなくても、その目線を持って仕事をすることには意味があるし、仕事がより楽しくなると思います。
奥村さん:それと、圧倒的にいろいろな人に出会う機会が増えるので、こういうキャリアパスもあるのかと気づくことができたり、自分のロールモデルになるような人を見つけられる可能性も高まると思います。
中里さん:やっぱり別の視点から自分の仕事を見られるようになることが大きいですね。「docomo STARTUP」では新規事業を開発するなかで、アイデアを検証するフェーズがしっかりあるので、本業の開発に戻っても、サービス企画の人たちはこういう検証をしているんだなとか、そういうことを想像できるようになりました。
新会社はヒリヒリするけれどそれが楽しい
――会社を立ち上げて、仕事の進め方で変わったと感じることはありますか?
大城さん:社内会議が減りました。小さな所帯なので、1週間で社内会議に費やすのは合計2.5時間ほどです。発言せずにオブザーバー的に参加する会議というのは、今では皆無ですね。
――新しい会社で、どんなところにやりがいを感じていますか?
大城さん:自分が社長を務めている会社なので、いいことも悪いことも、以前よりずっと強烈に感じます。(潜在顧客などに)送ったメールに反応があったとか、そんなことがとんでもなくうれしくなるんです。上がり下がりが激しくてヒリヒリしますが、それが楽しいです。
中里さん:私もそうです。自分がリーダーになって開発しているサービスなので、褒めてもらえたときのうれしさは格別です。それと、開発のプレーヤーから開発メンバーを指揮する立場に変わって、マネジメントなど経験のないことにチャレンジできていて充実感がありますね。
――逆に、思っていたのと違ったと感じることは?
大城さん:思ったよりキラキラしてない(笑)。スタートアップといえば、クラフトコーヒー片手に昇降デスクに向かって立ったまま仕事をしたりするイメージだったのですが、今のところそういう場面はないです。
――それでも、自分たちの会社の名前やロゴを考える作業は楽しかったのでは?
大城さん:一番楽しかったかもしれないです。社名はdocomo STARTUP DAY出場時のチーム名「IPEX」に“A”をつけて、AIを強調しました。IPEXは、EXに“express” “excellent” “expand”などの意味を込めて、IP監修を迅速に極上の品質で行ってビジネスを拡大していくという意志を表現しました。ロゴは中里に作ってもらいました。
中里さん:「“P”をちょっと太くして」とか、丸を入れる位置とか、細かい要望が多かった覚えがあります(笑)
奥村さん:ロゴにある丸は右へ行くほど位置が上がっていて、実は成長や向上をイメージしているんです。
――AIPEXの事業によって実現したい未来像はありますか?
大城さん:日本はすでに世界に誇るべきIPをたくさん持っているので、それを国内だけでなく世界に出していくお手伝いができればと思っています。言語や商習慣、文化の違いによって監修が遅れたり、それによってポテンシャルが発揮できなかったりするのは残念ですよね。そこを日本のIPにふさわしくていねいで、かつスピード感ある監修で支えていきたいです!
「docomo STARTUP」は、ドコモグループ社員のアイデアを事業化するためのプログラムです。不確実性の高い領域に対し、アイデアの検証を行い、事業化をめざします。
新規事業の成功確率は1000分の3(センミツ)と言われており、検証を進めるなかで事業化を断念・撤退することの方が多いですが、同時にチャレンジしなければ成功もあり得ません。
「docomo STARTUP」では、事業化にこだわりながら、チャレンジする人を最大限応援します。
「docomo STARTUP」についてさらに知りたい方は、ぜひこちらもご覧ください!
▶公式HP:https://startup.docomo.ne.jp