
docomo EVERYDAY異業種の最先端技術から学ぶ脱炭素化への取組み
地球温暖化が深刻化し、世界中で持続可能な社会に向けた取組みが求められるいま、企業が果たす役割はますます大きくなっています。業種の異なる4社で新菱冷熱工業さまを訪問し、同社の取組みをはじめ各社がどのようにしてこの課題に立ち向かっているのか、得た学びをみなさまにもご紹介します。
空調技術のリーディング企業がGX×DX×コラボレーションで地球温暖化対策
わたしたちの生活に欠かせない快適な環境を作り出す「空調管理」を専門とする新菱冷熱工業さまは、GX(グリーントランスフォーメーション)とDX(デジタルトランスフォーメーション)とCollaboration(コラボレーション)をテーマに、事業を通じて社会全体の脱炭素化、つまり地球温暖化対策に貢献している企業です。
たとえば、ビル全体の空調システムから、街全体に冷暖房を供給する地域冷暖房システム。さらに水族館の生きものに適切な飼育環境を提供するシステムまで、幅広い技術を提供しています。
今回は、スタートアップ企業とのコラボレーションの場、技術や知恵を有するイノベーションの主役が集う場としての役割を担い、革新的な製品・サービスなど新しい価値を創出するプラットフォームである「イノベーションハブ」を見学。この施設では、ZEB※を実現。2030年までに、「研究開発活動からの温室効果ガス排出量実質ゼロ」の達成に向け、さまざまな脱炭素技術や再生可能エネルギーを導入し、運用しながら効果を検証しています。また、今後も熱源システムの刷新なども予定されているそうです。敷地内の人どおりの多い場所に設置した大画面で現在の電力状況を「見える化」されていることなど、社員一人ひとりの環境問題への意識の高さもさることながら、自社の開発技術により脱炭素社会への貢献に誇りを持って働いていることが伝わってきました。
- ZEB(ゼブ)とは「Net Zero Energy Building(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)」の略称。快適な室内環境を実現しながら、建物で消費する年間の一次エネルギーの収支をゼロにすることをめざした建物のことです。
新菱冷熱工業さまの挑戦-人にも地球にも優しい空調
同社は空調技術により、快適で環境に優しい社会をめざしています。
2023年に竣工したイノベーションハブ本館では、大学などの研究機関と連携し、人や温度を感知するセンサーを使って室内の状態を常時モニタリング。天井からだけでなく、床からも空気の流れを作り出し、空気の自然な対流を上手に利用することで、最低限の電力で最適な体感温度を保つ空調システムの研究を進めています。さらに、天井に沿って、冷たい空気や温かい空気を部屋の隅々に通わせる技術により、天井に張り巡らされるダクト(空気を運ぶ管)をなくすことを実現。
また、病院や医療施設でホルムアルデヒドなどの有害ガスを効率的に排出するシステム開発も手がけるなど、同社が得意とする空気に関する技術を最大限に活かし、人にも地球にも優しい環境づくりに貢献しています。
空調だけじゃない、さまざまなサステナへの取組み
新菱冷熱工業さまのサステナビリティへの取組みは、空調技術だけに留まりません。
配管を腐食させにくくする水を循環水として用いることで配管の寿命を大幅に延ばすことに成功。
なお、この水は人体への影響が非常に少なく、緊急時には「生活用水」として利用できるそうです。
万が一のときにビルのなかで腐食させにくくする水を利用できるというのは、災害対策としても非常に心強い技術であると感じました。
また、バイオ素材であるカイコ繭に注目し、将来的な医薬品や化粧品への活用を模索されるなかで、これまで取組まれてきた空調技術を活かし、人だけでなくカイコにも優しい環境を提供するとともに、カイコ繭を大量飼育するシステムも開発されています。かつて世界を牽引した日本の養蚕業の復活を、最先端技術で支えようとする姿勢は、伝統産業と未来を結びつける素晴らしい取組みです。
業界の垣根を越えて考える、サステナビリティの未来
見学の後に行った勉強会では、参加者同⼠でさまざまな業界のサステナビリティへの取組みに関する意⾒交換を⾏いました。
各社の事業での取組み例としては、「製品の設計から廃棄、リサイクルまで一貫した環境管理を行う」「すべての建物に太陽光発電パネルを搭載したZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)やZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)」の建築により、「建物を建てるほど再エネが⽣み出され、カーボンニュートラルの実現に貢献する」「太陽光パネルに加え、新菱冷熱工業さまの技術を用いた空調設備やエレベータへ高効率機器の設置によるアミューズメントパークのサステナ化」などがありました。
また事業外の取組み例としては、自然共生活動(森づくりや希少性の調査などの保全活動)がありました。また、多様かつ複雑な環境問題に関する基礎知識を得ることで、環境リテラシ―を向上するため、従業員の8割以上が「環境社会検定試験(eco検定)®」を取得されている企業さまの取組みは印象的でした。
ドコモは、「テクノロジーと人間力で新しいつながりを生み、心躍る価値創造で、世界を豊かに、幸せに。」というグループビジョンのもと、基地局へのスリープ機能の導入や再生可能エネルギーを利用したグリーン基地局の設置、AIを活用したデータセンターの効率冷却などによる消費電力削減への取組みを紹介。また、ケータイリサイクルによる資源循環の促進や、ドコモグループ社員約1,000名からなる社会貢献活動を盛り上げる有志者「サステナアンバサダー」の活動など、さまざまな取組みを通じて持続可能な社会の実現をめざすということで会を締めくくりました。
異業種の企業が集まったこの勉強会で、サステナビリティへのアプローチが各社の特性を活かしたユニークなものであり、製品そのもの、製造工程、サプライチェーン、そして社員教育に至るまで、それぞれの企業が社会に対して責任を持ち環境問題に取組んでいることに深く感動しました。
ドコモは今後もお客さまやパートナー企業のみなさまと共創し、持続可能な社会の実現に向け取組み続けてまいります。