実在の扉からバーチャル旅行を体験!日常的な動作でバーチャル空間につながる、先進MR技術

docomo EVERYDAY実在の扉からバーチャル旅行を体験!
日常的な動作でバーチャル空間につながる、先進MR技術

映像・通信技術の進歩により、いま身近になりつつある「バーチャル空間」。
ドコモでは、国立大学法人奈良先端科学技術大学院大学(以下NAIST)と共同でこのバーチャル空間とリアル空間を自然につなぐ新しい技術の研究・開発を進めています。
ここではその技術と広がる未来の可能性についてご紹介します。

目の前の扉を開けたら、そこは別空間

HMD(Head Mounted Display:ヘッドマウントディスプレイ)を装着し片手を挙げる男性

ドコモは、先進技術によって人と社会に新しい価値を届けることをめざし、さまざまな研究開発に取組んでいます。その一つが、リアル空間とバーチャル空間を融合させるMR(Mixed Reality:複合現実)技術です。たとえば、実在の室内にバーチャルな家具を配置したり、それを自分で自由に動かしたりするといった体験が可能になります。
今回の研究開発のパートナーであるNAISTは、リアル空間からバーチャル空間へ自然につなぐ学術的な研究を進めています。特に、利用者が扉などの出入口を操作し、その感覚を得ることでユーザー体験が向上することに着目し、これを科学的に検証しています1
ドコモはこうしたNAISTの持つ科学的な知見をもとに、手と扉の動きを動的に認識する技術を新たに開発。この技術によって「まるで別空間に入り込んだような感覚」を目の前の扉を開けた瞬間に生じさせるシステムを実現しました。

開発したシステムが手の存在と動きを検知します
扉を開けてそのままバーチャル空間へ移動できます

このシステムでは、HMD(Head Mounted Display:ヘッドマウントディスプレイ)を装着したユーザーが、実在のドアノブを操作して扉を開けてくぐるという、日常的な動作によってバーチャル空間に移動します。ドアノブに触れたときの感触、扉を開けていく動き、そして扉を開けるにつれて目の前に広がっていくバーチャル空間。これらの要素が一体となって「自分自身が確かにバーチャル空間に存在している」という実感をもたらします。

  1. Takara Fujisawa, Daiki Hagimori, Monica Perusquía-Hernández, Naoya Isoyama, Hideaki Uchiyama and Kiyoshi Kiyokawa. Seamless Multi-Modal Transitions between Real and Virtual Environments Using a Physical Door Enhances Presence and User Engagement. ICAT-EGVE, 2024.

驚きの声があがった万博の体験展示とは?

この実在の扉を用いたMR技術の体験展示は、大阪・関西万博の技術体験イベント「けいはんな万博 in 夢洲」にて行われました2。場所は、大阪ヘルスケアパビリオン内リボーンステージ。ここは京都・大阪・奈良を表す「けいはんな」に立地する企業・研究機関によるさまざまなワークショップや技術体験が行われた場所です。
ドコモの展示では、実在の扉を開けてくぐることで「バーチャル旅行」へ出かけるという体験を来場者のみなさまに提供しました。旅行先は以下の3つのテーマを用意し、大阪・関西万博は多くの外国人も来場するため、アプリの英語・中国語のシステム対応も行いました。

多くの方々が楽しまれた体験展示の様子
慎重に扉を開いてバーチャル空間へ移動

最初のテーマ「室内」は、ジャズの流れる空間で、足元にネズミが駆け寄ってくるサプライズがあります。二つ目のテーマ「観光地」は、和楽器の音色とともに日本家屋から鷹が飛び立つ瞬間に出会います。そして三つ目のテーマ「宇宙」は、宇宙ステーションの細い通路を落ちないように慎重に歩いて進むというものです。
体験された多くの方が扉をくぐった先に広がるバーチャル空間に思わず驚きの声をあげ、上下左右と見回してその空間を楽しまれていました。

  1. けいはんな万博は、けいはんな学研都市を中心に開催される万博であり、EXPO 2025 大阪・関西万博の会場内で実施されます。

実在の扉を用いたMR技術で新たな体験価値の創出へ

本技術は任意の扉、任意のバーチャル空間を組み合わせて利用できるため、高い応用性があります。特に、観光・不動産・エンターテインメントの分野などへの応用をめざしています。
たとえば、玄関の扉を開けるだけで遠方の観光地を訪れることができる「バーチャルツアー」や、実際に物件に入るところから住空間の魅力を感じられる「バーチャル内見」。ファンタジー映画のように扉を開けると異世界へ行ける「バーチャルアトラクション」。身近にあるあらゆる扉が、物理的な制約を超えた「別空間への出入口」になります。
ドコモは次世代通信6Gの研究開発を進めながら、ビジョンとして「身体・感覚・感情までも伝え合える、新しいコミュニケーション」の実現をめざしています。そして6Gの提供価値として「サイバーとリアルが自然に融合する顧客体験(Customer Experience)」を重視しており、本技術はその具体的な実現に向けた取組みの一つです。
「扉を開いてくぐる」といった日常的な動作が、そのままバーチャル空間への移動につながる。このシステムを通して、ドコモは日々の暮らしのなかにもっとワクワクする瞬間を届けていきます。

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「けいはんな万博 in 夢洲」での体験展示は大成功!
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