特集

地域連携で、災害に強い通信を支える
ドコモグループ九州総合防災訓練 in別府

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近年、地震や風水害などの災害が激甚化・頻発するなか、非常時にも安定してつながる通信インフラの重要性がますます高まっています。
ドコモは、非常時でも安定してつながる通信を提供できるよう、毎年、全国各地でドコモグループによる総合防災訓練を実施しています。
その一環として、2025年5月20日〜22日に大分県別府市で開催した、南海トラフ地震による広域通信障害を想定した九州総合防災訓練の様子を中心に、“いつでも安定してつながるあんしん”を守るために進化を続けるドコモの技術と、地域との連携の取組みをご紹介します。

災害現場で迅速に動けるスキルを磨く

九州総合防災訓練は、5月20日・21日にはスキル向上訓練を実施し、5月22日に一般公開を行いました。
スキル向上訓練では、災害対応技術の習熟を図ることを目的として、災害発生時に通信環境を迅速に復旧できるよう、九州支社・中国支社・四国支社の混成チームとなって、機器ごとの特徴や運用手順を確認。
全国に2台しかない空輸型多機能車の設営、海上から通信を復旧する船上基地局の設営、衛星通信「Starlink」と多機能車を組み合わせて被災地での通信回線を確保する訓練を行いました。

訓練では、もしものときに迅速に設営ができるように運用手順が細かく確認された

ストーリー仕立ての訓練で防災意識を育む

一般公開された5月22日の総合防災訓練は、「しんけんに防災を考えよう」というスローガンのもと、ストーリー仕立てで構成。南海トラフ地震が発生した際の大分県各地域に対して、通信復旧にどのような手段を講じるのかをご覧いただきました。
たとえば、道路の被災と津波の影響により陸路でのアクセスが困難となった被災地に、陸上自衛隊西部方面隊のCH-47JA(ヘリコプター)で空輸型多機能車を空輸するというシナリオを設定。当日は天候の影響により実演は中止となったものの、2025年2月に大矢野原演習場にて実施した訓練の映像で紹介しました。
地震で道路が寸断し、陸路ではエリア復旧ができない被災地を復旧する訓練では、弓削商船高等専門学校「弓削丸」へ船上基地局を設営し、被災地へ電波を届ける訓練を実施。また、避難所が津波で孤立した状況を想定し、船上から災害用Wi-Fiの電波を発射し、避難所の通信環境を確保する訓練を行いました。
その他にも、停電になったことを想定した長時間発電機を活用した訓練や、光ケーブルの断線を想定した無線伝送装置の設営訓練、通信エリアの確保を行うための移動基地局車を使った訓練など、多様な災害を想定した実践的な訓練を展開しました。
避難所生活の支援としては、ドコモ以外の方もご利用になれる「d Wi-Fi」、スマートフォンを20台同時に急速充電できる「マルチチャージャー」の設置や大分大学と連携した小型ロボットによる遠隔での健康相談の実演も行いました。

総合防災訓練の会場には、主催するドコモグループのブースに加え、自治体や各種パートナー企業などによるブースも多数出展いただき、来場者や出展者との交流が生まれ、それぞれのブースで災害への取組みを理解していただきました。また、高所作業車、地震体験車も準備し、来場したみなさまに体験いただくことで、防災への関心を高める貴重な場を提供できたと考えます。
また、今回の防災訓練で行ったストーリー仕立ての訓練演出は、「最後まで関心を持って見られる」「理解しやすい」といった声も多く、防災への意識を高め、知識を深める機会として貢献できたと考えています。

会場では地域のさまざまな団体による展示も行われた

災害時の通信復旧を支える連携の力

災害時の通信インフラ復旧には、ドコモ単独の努力だけでなく、多様なパートナーとの連携が不可欠です。その要のひとつが、災害発生時に外部との情報連携を担う「リエゾン」の存在です。ドコモグループでは、災害発生時に県の災害対策本部へリエゾンを派遣し、被災地での通信状況を伝えるとともに、行政側からの要望を吸い上げる役割を担っています。避難所の通信情報をいち早く把握し、電力や通信がひっ迫する地域への支援判断にもつながるなど、リエゾンは現場の判断を支える情報のハブ役として重要な存在です。
今回の訓練でも、官公庁、自治体、教育機関、グループ会社など、さまざまな分野の組織と連携し、非常時における円滑な情報共有と迅速な対応体制の強化につなげました。

スムーズな災害復旧を後押しするのが、情報のハブ役となる「リエゾン」の存在

ドコモは、災害時であってもいつもどおりに、つながるあんしんを届けることを最優先に掲げ、ネットワークの安定性・即応性の強化に日々取組んでいます。今後も、訓練を通じたスキルの向上や新機材の導入を進め、災害に強いドコモをめざします。災害時にもつながるあんしんを届けるために、ドコモはこれからも挑戦を重ねていきます。

■2025年度ドコモグループ九州総合防災訓練の様子はこちら別ウインドウが開きますからご覧いただけます。

  • 株式会社NTTドコモ九州支社
    ネットワーク部 災害対策室 担当課長

    松尾 徹

  • 株式会社NTTドコモ九州支社
    ネットワーク部 災害対策室 主査

    山崎 芳典

  • 株式会社NTTドコモ九州支社
    ネットワーク部 災害対策室

    西 祐樹

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