日々の取組み

企業連携と回線復旧の新技術で、未来の通信を支える
ドコモグループ総合防災訓練の現場から考える

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通信は私たちの暮らしにとって「あってあたりまえ」の存在ですが、ひとたび大きな災害が起きると、その状況は一変します。被災地特有の地形や被害状況により、通信の復旧自体が困難なケースもあります。
その事態に備え、ドコモグループはどんな取組みを進めているのか。
2026年5月22日に東京都江東区有明で実施された「2026年度 総合防災訓練」の現場から、企業連携と回線復旧のための新技術によって、災害時の通信を支える最新の取組みをお伝えします。

軽型移動基地局車で、道なき被災地に通信を届ける

今回の防災訓練のテーマは、「連携と新技術でつなぐ未来」。当日、会場には500人を超える関係者が集まり、実演や展示、専門家による解説を交えながら、首都圏直下地震を想定した実践的な訓練が行われました。

専門家による解説を交えながら、災害時の対策や備えが紹介された。

会場でひと際目を引いたのが、今回の訓練で初披露となる軽自動車ベースの「軽型移動基地局車」です。移動基地局車は、災害発生時に電波がつながらなくなった場所へ駆けつけ、通信環境を確保する役割を果たします。しかし、その多くは中・大型のトラックをベースにしており、2024年に起きた能登半島地震や奥能登豪雨では、狭い山道や寸断された道路に行く手を阻まれる場面が多くありました。こうした課題を受けて登場したのが軽型移動基地局車です。小型な車体を活かして大型車両が入れない場所へも迅速にアクセスできるうえ、少人数かつ短時間で設営できるように設計されています。衛星回線を活用して迅速な復旧を可能とします。

今回初披露された軽自動車ベースの「軽型移動基地局車」。

NTT東日本との連携で挑む、ドローンによる光ケーブル復旧

危険な被災現場で通信を復旧させるためには、ひとつの手段に頼らず、複数の選択肢を組み合わせた備えが欠かせません。そのひとつとして訓練会場で紹介されたのが、NTT東日本と連携した「ドローンを活用した光ケーブル復旧」です。通信は、基地局だけでなく、その伝送路となる光ファイバーケーブルがあってはじめて成り立ちます。災害時、土砂崩れなどで立ち入りが困難な場所における光ケーブル断線に対しては、ドローンの活用が、安全を確保しつつ迅速に通信を復旧する有効な手段となります。

NTT東日本とドコモの連携について、双方の担当者にお話を伺った。

NTT東日本は、光回線の基盤を提供する立場として、災害時の通信復旧においても重要な役割を担っています。ドコモが基地局などの復旧を進める一方で、NTT東日本はその基盤となるケーブル区間の復旧を支えます。「ドコモから重要な基地局の情報を共有してもらいながら、連携して設備の復旧優先順位を決め、基盤となるケーブルの区間を迅速に復旧していきます」と、NTT東日本の担当者が語ってくれたように、両社の連携はドローンという現場の作業だけでなく、情報共有の面でも進められています。

ドローンによる光ケーブル復旧の展示。基地局と伝送路の双方を支える連携体制が紹介された。

また、連携協定を結ぶ日本BCPのバギー車も登場しました。通常の車両では入れない悪路でも現場へアプローチできる機動力を備えており、通信機器だけでなく人や物資も届けられることが紹介されました。

悪路でも機動力を発揮する「日本BCPのバギー車」。

携帯電話事業者間で支え合う、「JAPANローミングTM

現地の被災状況や天候によっては、設備の復旧に時間がかかってしまう場合もあります。その備えとして、災害時に国内の携帯電話事業者同士で電波を融通し合う「JAPANローミング」の取組みも紹介されました。これは、災害や障害によってドコモの基地局が使えなくなった場合に、ほかの携帯電話事業者のネットワークに切り替えることで、通信を継続できる仕組みです。契約中の携帯電話事業者の電波がつながらなくても、ほかの事業者のネットワークが利用できれば、通信を確保できる可能性が広がります。

災害時に自社の基地局が使えない場合でも、他社ネットワークを活用して通信確保につなげる。

このJAPANローミングは、2026年4月に発生した岩手県の山林火災の際に、日本ではじめて運用され、緊急通信などの重要な通信を確保することができました。「すべての事業者がそれぞれ基地局を復旧できていない状況でも、いずれかの会社がカバーできていれば、通信が全くできない状況を避けることができる」。いかに自社のお客さまを救済するかという視点に加え、日本全体で通信を支えていくという考え方が、通信事業者の間で共有されつつあることも、担当者の言葉からうかがえました。

パネル展示スペースでは、新技術を使った事例や連携事例などが紹介された。

さらに、災害時に困難となる燃料確保に向けてモバイル事業者4社で協力する「仮設給油所」の設置や、避難所での需要が高い電力を確保するため、モバイル事業者4社とバッテリーメーカー7社で供給スキームを確立する「モバイルバッテリー協定」など、通信網の維持にとどまらない連携が進んでいます。

避難所で高まる充電ニーズへの対応など、通信を支える周辺領域の連携も進められている。
  • KDDI株式会社/沖縄セルラー電話株式会社、ソフトバンク株式会社、楽天モバイル株式会社、株式会社NTTドコモをさします。

宇宙規模で開発を進める、あんしんをつなぐための通信技術

それでもなお、地上の通信手段が使えない場面もあります。そこで活躍が期待されるのが、人工衛星を介した通信「docomo Starlink Direct」です。これは、宇宙にある低軌道衛星とスマートフォンなどの通信機器を直接つなぐ技術で、災害時に地上の基地局が使えなくなったときでも、空がひらけてさえいれば通信できます。JAPANローミングでも通信が確保できない場所では、こうした衛星通信を組み合わせることで、より途切れにくい通信環境の実現が期待されています。
地上、空、宇宙、そして企業連携。これら複数の備えを重ね、いかなる事態にも柔軟に対応できる体制づくりに取組んでいます。

企業連携と回線復旧の新技術で、つながる未来を守る

被災地の安定を少しでも早く取り戻すためには、業種の垣根を越えた企業連携と最新の技術を継続して取り入れることが欠かせません。
今回の総合防災訓練で示されたのは、企業連携と新技術を掛け合わせて進化し続ける災害対策の今の姿でした。
ドコモはこれからも、その両輪で、人・地域・社会をつなぎきり、あんしんと新たな価値を届け続けていきます。

モバイル事業者4社で協力して運営する「仮設給油所」。
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