関西エリアをつなぐ鉄道沿線の5G環境を、さらに快適に。
主要路線の「Sub6基地局数1.2倍」へ
JR東海道線、阪急神戸線・京都線、阪神本線、そして地下鉄御堂筋線は、大阪、京都、神戸の三都市を結ぶ、関西エリアの交通の要です。ドコモはこれら5路線へ、継続した通信対策を実施してきましたが、近年、通信量はさらに増加。それに対応するため、「2026年3月末までに鉄道5路線沿線のSub6基地局数1.2倍」という目標を掲げ、新たな対策に乗り出しました。駅でのひとときから走行中の車内まで、ストレスフリーな通信をめざした、ドコモの取組みをご紹介します。
移動中の車内でもより快適な通信を。駅と駅をつなぐ「線」の対策を強化
冒頭で挙げた5つの路線では、朝夕のラッシュ時を中心に高い通信需要が発生します。特に2023年以降、人流の回復とともに通信量が想定を超えるスピードで増加し、一部では通信のひっ迫が起こっていました。
特にお客さまから多く寄せられたのが、「駅ではつながるが、電車が走り出すと動画が止まる」といった声です。
これまでの対策は、利用者が集まる「駅(点)」が中心でした。しかし、移動中のストレスをなくすには、駅と駅の間の「路線沿い(線)」を隙間なくカバーしなければなりません。そこでドコモは沿線の基地局数を1.2倍に増やす集中対策をスタートさせたのです。
基地局の能力を最大限に引き出す「技術」と「エリア対策」
「線」の対策において、大きな役割を果たしたのが「マルチユーザMassive MIMO」です。これは多数のアンテナを使って、一人ひとりに“専用の電波の通り道”を用意するような技術。周囲の影響を受けにくくなるため、混雑した電車内でも、一人ひとりが安定した高速通信を利用できるようになります。
こうした技術を実装した基地局の能力を最大限に発揮させるためには、線路を見通せる最適な場所にアンテナを設置する必要があります。しかし、都市部の線路沿いは建物が密集しており、最適な場所の確保は困難でした。建物のオーナーに取組みの趣旨を理解していただき、設置の許可をいただくまでに、時間を要することも少なくありません。
さらに、鉄道沿線での対策は、電車運行の妨げにならないことが大前提のため、電車の走らない深夜の限られた時間で作業を進める必要がありました。
こうしたマルチユーザMassive MIMOを導入した基地局による対策に加えて、物理的な遮へい物によって生まれる「死角」への対策も同時に行いました。高層ビルの陰や駅構内の入り組んだ場所など、周囲が建物に阻まれてどうしても電波が届きにくいスポットに対しては、駅周辺の電柱や駅ホームに「小型基地局」を導入。鉄道会社の協力を得ながら、一歩ずつ、確実に「線」としてのエリア対策を拡大させていったのです。
移動中の車内でのスムーズな通信を支える地道なチューニング
設備が整ったとしても、それだけでは電車内での快適な通信は完成しません。特に、移動中の通信品質をさらに高めるためには、アンテナから照射する電波の角度や強さを基地局ごとに最適化する「エリアチューニング」が不可欠です。
特に電車で移動する際の通信は、移動に合わせて接続する基地局を順次切り替えていく「ハンドオーバー」という仕組みが重要になります。この電波の切り替えがスムーズにいかないと、通信の途切れや動画の停止につながってしまいます。ドコモは、コンマ数秒単位で最適化する調整を繰り返し、さらにお客さまのリアルな体感を知るために、実際に電車に乗り通信環境を確認。細かな調整を繰り返すことによって、電車での移動中も、途切れずスムーズに通信できる環境を整えることができました。
「つながる」という日常を、もっと快適に。
JR東海道線、阪急神戸線・京都線、阪神本線、御堂筋線の5つの鉄道路線において、継続的な対策を行った結果、2026年3月末、ドコモは目標としていた「Sub6基地局数1.2倍」の増強を達成しました。
しかし、通信対策はこれがゴールではありません。お客さまにとって“つながるのは、あたりまえ”だからこそ、通信環境や需要の変化、お客さまの声を逃さず捉えて、ストレスを感じることのない快適な通信環境の構築に力を入れていきます。関西のお客さまの毎日が、通信の力によって、もっと豊かで、もっと快適なものになるように。ドコモはこれからも通信品質の改善に取組んでいきます。
-
株式会社NTTドコモ関西支社
ネットワーク部 移動無線計画担当山口 慎太郎
-
株式会社NTTドコモ関西支社
ネットワーク部 移動無線計画担当山田 洋平
-
株式会社ドコモCS関西
ネットワーク建設推進部 置局設計担当大本 将平
-
株式会社ドコモCS関西
エリア品質部 エリア品質技術担当森 博昭