ベルーナドームの通信速度を改善しました

埼玉西武ライオンズの本拠地ベルーナドームでは、試合開催時の通信速度に対して不満の声が寄せられていました。
特殊アンテナの導入と新しい5G周波数帯の活用で通信速度を改善したほか、屋外エリアの基地局も増強・最適化を実施。今年の春には一連の対策を完了しています。
ドーム球場の特徴を踏まえたネットワーク対策


ベルーナドームは、埼玉西武ライオンズの公式戦が開催される収容人数3万人以上の大規模球場です。試合開催時には多くの観客が集まるために通信速度が低下してしまい、「インターネットにつながらない」という不満の声がSNSなどで寄せられていました。
ドームの構造上、設置スペースや荷重の制限があり、通常考えられる基地局設備の追加では対策が難しい状況でした。そこで、移動基地局車で使用される特殊なアンテナを導入。狭い範囲を細かくカバーできる特性があり、限られたスペースでも効果的に対策できると判断しました。
ベルーナドームさまとの協力により、4Gの強化に加え、5G専用の新しい周波数帯を利用することで、より高速で大容量な通信が実現しました。これにより、「瞬速5G※」がドーム内で密にカバーされるようになりました。
- 瞬速5Gは、5G専用の広帯域な3つの新周波数帯(3.7GHz帯/4.5GHz帯/28GHz帯)を利用して高速・大容量な通信を実現しています。ベルーナドームはこのうち3.7GHz帯と4.5GHz帯でカバーしています。
屋外エリアの通信環境も改善

ドーム内にとどまらず、駅からドームまでの広場や入場ゲートといった多くの観客が利用する屋外エリアにも対策を広げています。既存の基地局の強化と新たな基地局の建設を行い、これらのエリアでも「瞬速5G」のカバレッジが向上しています。
また、基地局の設定を最適化し、電波の周波数ごとにユーザーが適切に分散されるよう調整を実施しました。密に配置されたアンテナ間でのスムーズな切り替えが可能になるよう試行錯誤を重ね、通信品質の安定化にも取組んでいます。
今後の取組み
今年の春にすべての対策が完了し、実施後の電波調査では、「瞬速5G」で通信速度が大幅に改善したことが確認されました。ご来場者さまのアンケートでも、通信に対する満足度が向上しています。
今後も、よりよい通信環境の実現に向けてデータ分析を継続し、適切な調整を行っていく予定です。