NTTジャパンラグビー リーグワン2023-24 D1/D2 入替戦、花園近鉄ライナーズ(以下、「花園L」)との第2ラウンドが、2024年5月24日(金)、花園ラグビー場で行われ、浦安D-Rocksが勝利し、ディビジョン1(以下、「D1」)昇格を決めました。
チーム創設2年目、悲願のD1昇格、壮絶な戦いとなった運命を決めた試合80分を振り返ります。
D1昇格を賭けた花園L戦との最後の戦いが始まる
ついに迎えた決戦の時。
D2・1位の浦安D-RocksとD1・12位の花園Lの運命を分ける最後の試合です。
昨年の悔しさは、この1年常に選手たちの胸に刻まれていました。
そして奇しくも昨年と同じ対戦相手。
浦安D-Rocksは、6日前の入替戦初戦と同じメンバーで臨みます。
強い風が吹く花園ラグビー場には、試合開始前から緊迫の空気が漂っていました。
前半は、浦安D-Rocksが風上となります。これが“追い風”となるか、引き分け以上、または8点差以内の負けでD1昇格が決まります。

花園Lのキックオフで試合が開始されました。
先制点を挙げたのは花園Lでした。キックオフ直後の54秒、花園Lのトライで0-7になってしまいます。その後も、立ち上がりから自陣での苦しい戦いが続き、前半10分、ペナルティゴール(以下、「PG」)で追加点を決められ0-10に引き離されました。
前半14分、ようやく訪れたチャンス、初の敵陣でのプレイで、FB安田選手のトライでまずは5-10に追いつきます。
勢いづいた浦安D-Rocksは、前半17分、CTBケレビ選手が無人の裏へ転がすキック、それにWTB石井選手がインゴールで追いつきトライ成功!…に見えましたが、TMOの結果、惜しくもノートライとなります。
その後、前半27分、SO田村選手のPGで8-10まで追いつきます。
しかし、前半38分、花園LのPGで8-13になり、5点のビハインドで前半を終えました。



譲れない思い、D1昇格を賭けた浦安D-Rocksの反撃
祈る思いで、後半がスタート、両チームとも1歩も譲らず、後半10分が経過しました。
花園Lに粘り強く攻められ、ギリギリの攻防戦が続きましたが、ついに花園Lのトライで、8-20に離されてしまいました。
後半13分、SOブラック選手のPGで11-20になりますが、その3分後、花園LもPGで3点を返し、11-23、得点差12点差に戻ります。
そして、動いたのが後半18分、カウンターアタックから、ペナルティキックを得た浦安D-Rocks。
ここで、PGではなく、ラインアウトからのトライを狙いタッチを選ぶのです。
この勇気ある決断が、流れをつくり、交代で登場したPR鍋島選手のトライか?ノックオンか?というシーンでTMO。花園Lにトライ妨害のペナルティがあり、浦安D-Rocksのペナルティトライが認められ18-23まで一気に追いつきました!
後半26分、交代で登場したPR竹内選手のチャージとほぼ同時に飛び出したNo.8ポール選手がしっかりとこぼれ球に追いつきトライが決まり、SOブラック選手のコンバージョンが決まり25-23とついに逆転しました!

運命のノーサイドまで残り10分。
踏ん張れ、浦安D-Rocks!応援する拳に力が入ります。



そして、魚の水を得たるが如し、完全に浦安D-Rocksのペースになった後半33分、CTBゲイツ選手が足を引きずりながら完璧なトライを決めると、SOブラック選手がきっちりとコンバージョンゴールを決めて、32-23に引き離しました。

後半37分、SOブラック選手のPGで3点追加し35-23に。D1昇格を確信した残り2分、それでも浦安D-Rocksは手を抜くことはありません。追加得点を狙い続けます。必死に守ります。
運命のノーサイドの瞬間
そして運命のホーンが鳴りました。ラストプレイで、花園Lのトライ、35-30でノーサイドとなりました!
この瞬間、浦安D-Rocksの悲願のD1昇格が決まりました!
強い決意で臨んだ入替戦、想像はしていたものの決して簡単な試合ではありませんでした。
壮絶な戦いでしたが、2連勝で文句なしのD1昇格となったのです!
D2優勝が決まったときには、選手たちに笑顔はありませんでした。
しかし、今日は違います。喜びを爆発させます。悔しさ、苦しさを見事バネにして、チーム創設2年目、悲願のD1昇格を勝ち取ったのでした。

「DIVISION1昇格決定」のボードが渡されて記念撮影。
ようやく選手たちの顔が穏やかになり、飯沼キャプテンの顔にも笑顔がありました。
飯沼キャプテンのコメント(浦安D-Rocks ホームページのレポートより転載)
「入団してから入替戦に2戦負けて、人生のドン底を経験しました。それでも折れずに、この経験があるからこそ成功できる、ということだけを信じてやってきました。
いま、報われて嬉しい気持ちですが、僕の目標はここじゃないので。この先は個人だと代表、ディビジョン1で優勝するところまでいってから、この2年間の苦しみが報われたと思えるはずなので、そのために努力していきたいと思います。」
「One for All, All for One 」
(1人はみんなのために、みんなは1人のために)
これは、アレクサンドル・デュマの小説「三銃士」に出てくる言葉ですが、ラグビーのチームプレイ精神として有名な言葉です。
それぞれの個性や役割を理解し、チームのために全員がその責任を果たす。
そして、ラグビーは、トライをした選手だけでなく、そこへつなげたそれぞれの選手が、トライした選手と同等に称されます。
このラグビーの精神は、「ゴールのために全員が役割をしっかりと果たすことが重要」という意味では、ラグビーやスポーツに限らず、すべてのチームプレイにおいて大切な精神だと彼らのラグビーを観ていて感じました。
D1昇格という目標を成し遂げたこと、とても尊敬します!
そして、来シーズン、D1でも活躍してくれることを信じています!
今シーズン、わたしたちと一緒に、浦安D-Rocksを応援いただきありがとうございました!
(写真提供:浦安D-Rocks)
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