【左】NTTコミュニケーションズ北陸支社_吉倉麻衣さん【中央】ドコモヘルスケアサービス部_近藤史顕さん【右】ドコモヘルスケアサービス部_古屋大和さん

docomo EVERYDAYドコモの能登半島地震での取組み②
-オンライン再診篇-

このたびの令和6年能登半島地震により被災されたみなさまに心よりお見舞い申し上げます。

ドコモは、能登半島地震の支援活動において基地局の復旧活動や無料充電サービスなどに加え、被災された方々のヘルスケア・メンタルケアの一環として避難所での映像サービス提供、携帯電話を紛失された方々へのドコモ公衆ケータイ提供など多様な手段を投じて支援活動を行っています。今回は、オンライン再診の取組みを現地で対応した社員の方のお話も含めてご紹介します。

「オンライン“再診”」に込められた意味

オンライン再診とは、病院や避難所などへのタブレットの提供およびネットワーク環境の構築やオンライン診療の運用に向けた医師や薬剤師、患者へのサポートの実施など、被災により避難された方々がオンラインで診療が受けられる環境を提供する取組みです。現在まで約200名の社員が本取り組みに関わっており、2月21日時点では、能登エリアを中心に23か所の病院・診療所・薬局で運用が行われています。今回は、本取組みに携わっているヘルスケアサービス部の古屋大和さんからお話をお伺いしました。

―なぜ「オンライン“診療”」ではなく、「オンライン“再診”」としたのでしょうか。

「オンライン“再診”」という取組み名称は、診療を通じて同じ地域のコミュニティの人と人が“再会”する、という思いから生まれた言葉になります。私自身、能登地域で暮らす人々は、医師と患者という関係だけではなく、生まれたときからの知り合いであり、飲み仲間であり、同じ地域の家族のようなつながりがあるのを現場で感じました。そのため、オンライン再診の取り組みはオンライン診療の提供を通して、被災地を離れて避難された方々と被災地の医師のつながりを離れた環境でも維持させ、避難した方々が、頑張って医療を継続させている医師・薬剤師のいる能登地域へあんしんして帰って来られる地域づくりを目的としています。

オンライン再診の様子
オンライン再診の様子

さまざまな人との「つながり」を起点に

―オンライン再診の取組みの経緯を教えてください。

震災直後、能登地域の医療の復旧・復興を支援すべく、厚生労働省や総務省とともにオンライン診療の提供に向けた検討を開始し、ドコモとしては通信の整備とオンライン診療の提供という役割で貢献しようと考えていました。取組みを開始してみると、被災地の現場で医師と患者をつなぐことがとても難しいと感じました。医師も被災しているため医師の現状を把握する必要があるとともに、避難所を含めた避難者の医療の問題を確認する必要があるという課題もありました。

これらの課題があるなかで、まずはドコモとして取組みたいことを石川県庁の災害対策本部にお話しさせていただくことで、今回の取組みへ踏み出しました。そのなかでさまざまな賛同を頂くことができ、県医師会、県薬剤師会、JMAT、DMAT等とつながり、能登地域の医師、薬剤師、看護師、さらには石川県庁や避難所の管理者などともつながることが出来ました。これらのつながりを掛け合わせながら、医師、薬剤師や看護師一人ひとりと会話を行い、オンライン再診という新しいコミュニケーションの形でこれまで地域で営まれていた医師・薬剤師と避難者の温かいやりとりを紡いでいくことに努めています。

お客さまや医師の環境を整える

―オンライン再診の具体的な取組みについて教えてください。

タブレットの提供に加えて、避難所へのオンライン診療の手順書が記載されたチラシの配布、無料Wi-fiの提供などによるネットワーク環境の構築など、お客さまがオンライン診療を受けられる環境も同時に整えています。固定電話の回線が使用できない地域のお客さまでもFAXでの処方箋の受信ができるように、避難所へhomeでんわやモバイルファックスの提供を行うなど、診療から処方箋の受け取りまでを完結できるようにドコモの複数のサービスを活用することで運用面を整備しています。
また、医師に向けて被災地におけるオンライン診療のガイドラインや医療費に関する手続きなど、医師の方がオンライン診療をあんしんして始められるためのサポートも実施しています。特に能登半島地震を受けて厚生労働省が被災地におけるオンライン診療の通知を発出しているため、関係する通知なども添えてご説明を差し上げました。

厚生労働省が被災地におけるオンライン診療の通知
オンライン診療の手順書が記載されたチラシ
モバイルファックスの提供
モバイルファックスの提供

顔を見てお話をすることで
あんしんできました!

―どのようなお客さまにご活用いただけているのでしょうか。

かかりつけの医師からお薬をもらうことが困難になってしまった方など多岐にわたってご活用をいただけております。オンライン診療をご利用されたお客さまのなかには、「お医者さんの顔を見てあんしんすることができました。」と涙を流した方もいらっしゃいました。また、医師の方からも「顔をみてお話をすることで患者さんが安心するのが分かる。」というお声をいただくことができ、自分も含め現場の社員も励みになっています。

【左】NTTコミュニケーションズ北陸支社_吉倉麻衣さん【中央】ドコモヘルスケアサービス部_近藤史顕さん【右】ドコモヘルスケアサービス部_古屋大和さん
NTTコミュニケーションズ 北陸支社 吉倉麻衣さん(左)
ドコモ ヘルスケアサービス部 近藤史顕さん(中央)
ドコモ ヘルスケアサービス部 古屋大和さん(右)
【左】ドコモヘルスケアサービス部_福永智さん【右】ドコモヘルスケアサービス部_西口孝広さん
ドコモ ヘルスケアサービス部 福永智さん(左)
ドコモ ヘルスケアサービス部 西口孝広さん(右)

―今後の展望などがありましたら、お聞かせいただけますでしょうか。

オンライン再診の取組みでは、被災時のオンライン診療の環境構築が新しく必要だったため、被災地におけるオンライン診療のガイド、必要なタブレットの収集およびそのセットアップ、医療機関や避難所のリアルタイムの状況把握など提供に向けて改めて時間を要する場面が多くありました。そのため、今後は少しでも早くお客さまにオンライン診療を提供できるよう、有事のときにもすぐに対応ができるようなサービスの提供・環境の構築をめざしていきたいと考えています。

「令和6年能登半島地震に伴う各種被災地支援の取組み」についてはこちら

今回のご取材にご協力いただいたドコモヘルスケアサービス部_古屋大和さん
今回のご取材にご協力いただいた、
ドコモ ヘルスケアサービス部 古屋大和さん
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