統合報告書ハイライト

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CFOメッセージ

効率的な成長投資に取り組み
株主還元を加速

取締役常務執行役員(CFO)
財務部長 
財務、グループ事業推進、IR担当
廣門 治

業績予想を上回る増収増益を達成

2018年3月期は、中期戦略2020「beyond宣言」の実現に向けた第一歩を踏み出すための「進化に挑む年」と位置付け、事業基盤の強化と安定的かつ持続的な利益成長をめざして取り組んでまいりました。

そうした結果、当期の決算は、営業収益が4兆7,694億円(前期比4.0%増)、営業利益が9,733億円(同3.0%増)、当社に帰属する当期純利益が7,445億円(同14.1%増)となり、業績予想を上回る増収増益を達成しました。

今後も、コスト効率化を継続しながら経営資源を集中させ、「beyond宣言」の実現に向けた成長投資に取り組み、株主のみなさまへの還元として「継続的な増配」を行ってまいります。

業績

利益ベースの経営数値も重視

当社では、前期より経営の重点を利益ベースからキャッシュの創出力へ移し、EBITDAから設備投資額を控除して算出する営業FCFを経営目標としています。これは、前期に導入された減価償却方法の変更により、営業利益の水準が大幅に変動する可能性が出てきたことに対応するものであり、経年で比較がしやすい指標ともいえます。

ただし、営業FCFは大事な指標であるものの、投資家をはじめとするステークホルダーのみなさまの多くが指標とされているのは、やはりシンプルな営業利益や当期純利益ではないかと考えます。2018年度から米国会計基準(U.S.GAAP)に替えて国際財務報告基準(IFRS)を適用することによる財務影響が大きくないことも踏まえ、今後は、利益ベースの経営数値にも強くこだわっていきたいと考えています。

営業利益と営業FCFの関係

経営基盤のさらなる強化に向け、効率的な設備投資を実施

通信ネットワークの構築には多額の設備投資が必要です。近年では、コンテンツの多様化や新サービスの提供などによりスマートフォンユーザーのトラフィックが増大する傾向にあり、それらに伴って、通信の高速化およびトラフィックの需要増加への対応が求められています。

当社では、「さらなる快適さ」を追求した強力なネットワークの構築を進めており、お客さまに高品質な通信環境を提供してきました。当期は、より快適にご利用いただけるネットワークの実現に向け、「PREMIUM 4G」に対応した基地局を69,700局から108,300局に拡大しました。また、LTEサービスのさらなるエリア充実を図るため、全国のLTE基地局数を161,900局から185,000局に増設しました。

そうした結果、当期の設備投資額は5,764億円と、前期と比較して207億円(3.5%)の減少となりました。これは、事業基盤のさらなる強化に向け、通信ネットワークにかかわる設備投資効率化への取組みとして、物品調達費用等の低減や電気通信設備の建設工事の効率化を実施したことによるものです。また、後年のネットワークにかかわる運用費用の効率化を目的として、高性能装置の導入による設備の集約化・大容量化を積極的に実施しました。

基地局数と設備投資額の推移

2018年度は、トラフィック増加への対応および「PREMIUM 4G」のエリア拡大などのネットワーク品質における競争上の優位性確保、ならびに先進的技術導入などの競争力獲得のための投資を進めてまいります。また、2019年度から5G導入を見据えた設備投資も開始します。今後も既存設備を有効に活用しつつ、適切なマネジメントによって効率的な投資を継続することで、年間5,700億円程度の設備投資額を計画しております。

適切なリスクを取った上で、
必要な投資を効率的に
タイムリーに行っていきます。

「beyond宣言」の成果を収益につなげていくフェーズに

当社は、2018年度を「革新し実行する」年と位置付け、「beyond宣言」の実行に向けた大きな柱として、会員基盤を軸とした事業革新と成長投資に取り組んでまいります。

「beyond宣言」をスタートした当期は、パートナーとの協創などによってトライアルを行ってきましたが、2018年度は実質的な成果を出し収益につなげていくフェーズに移行してまいります。当社の事業は、業界屈指の顧客基盤に支えられた安定的なストックビジネスであり、財務リスクが比較的小さいことが特長です。2018年度以降の収益の最大化に向けては、あまり保守的になりすぎず適切なリスクを取った上で、必要な投資を効率的にタイムリーに行っていくことが私の務めであると考えています。

また、今秋発表予定の中期計画においては、各部門との折衝をしっかり行った上で数字を徹底的に精査し、ステークホルダーのみなさまに納得していただける経営目標につなげていきたいと考えています。

「対話」を通じて、企業力を高める

投資家やアナリストのみなさまとの対話においても、私自身が最前線に立ってさまざまなご要望・ご意見を真摯に受け止め、より一層レベルの高いコミュニケーションに努めてまいります。

株式市場を支える投資関係の企業には、通信業界の最前線を追い続けておられる英知が集結しています。かつて、携帯電話がメインプレーヤーとして通信市場を席巻することを最初に予想したのも投資家やアナリストのみなさまでした。そうした時代の先を読む視点から当社の経営や将来像についてご意見やアドバイスをいただくことで、企業力を高めていければと考えています。

株主還元につきましては、「継続的な増配」を行うとともに、機動的な自己株式取得を進めています。当期は、1株当たり年間配当金を前期より20円増配の100円とし、約3,000億円の自己株式の取得を実施しました。

今後も当社は、挑戦し成長し続ける企業として、株主のみなさまのご期待に応えてまいります。

配当推移

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