中小企業DXのカギを握る「CIO」はどう設置すればいいのか

中小企業DXのカギを握る「CIO」はどう設置すればいいのか

中小企業がDXやデジタル化をスムーズに推進するためには、「CIO」または「CDO」という役職がカギを握ります。これらの役職を自社に設けるためにはどうすれば良いのでしょうか。

目次

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1.約7割の中小企業がDXに取り組めていない

「デジタル化」は、何も大企業だけに求められるものではありません。中小企業が働き方改革を推進するためにも、労働人口の減少に対応するためにも、対応しなければならない課題です。

しかし、総務省の調査によると、中小企業のDXに対する取り組みは順調に進んではいないようです。総務省が発表した2021年版の情報通信白書では、中小企業におけるDXの取り組みについて、約7割の企業が「実施していない、今後も予定なし」と答えています。

デジタル・トランスフォーメーションの取組状況(日本)

(※) 総務省「令和3年 情報通信白書」をもとに編集部で作成

中小企業がDXに取り組めない背景には、コストはもちろん、人材不足の問題も考えられます。DXを推進するためには、システムの整備・維持など専門スキルを持った人材が必要となりますが、中小企業では専門的な知識を持つ従業員が社内におらず、デジタル化に踏み込みたいが、なかなかできずにいるというケースも多いでしょう。

2.DXを推進するための役職「CIO」「CDO」とは何か?

DXを推進するためのスキルを持った人材とは、単にITに詳しかったり、プログラミングの能力がある人材というわけではありません。デジタル投資を行う上で、投資内容の企画と設計を行える人材が求められます。

このような役割を担うためのポジションとして、「CIO」や「CDO」という役職があります。

CIOとは「Chief Information Officer」の略で、日本語では「情報統括役員」となります。CIOは経営戦略とIT戦略の統合を担う役割で、具体的にはデジタルツールの見直しやコストの削減、IT資産の管理や適正化などを行います。さらに、経営者に適切な助言を行う役割も担っています。

一方のCDOは「Chief Digital Officer」の略で、日本語では「デジタル最高責任者」または「最高データ責任者」という意味になります。CDOは企業のデジタル最高責任者として、社内で収集・蓄積したデータの総監督を行う役割を担っており、個人情報の保護やセキュリティの観点からデータを適切に管理しつつ、データに基づく組織・ビジネスモデルの変革を行います。

CIOやCDOは、全社的なICT戦略を策定したうえで、その目標を明確化する役割を担っています。現場部門や情報システム部門などのステークホルダーに理解を得るためには、現場に対して適切なメッセージとして発信する必要があります。

CIO・CDO等の役割

(※) 総務省「ICTによるイノベーションと新たなエコノミー形成に関する調査研究」

3.DX人材を社内で育成する方法もある

とはいえ、DXに詳しくない企業が、CIOやCDOといった未知のポジションを設け、そこに新たに人材を配置するのは簡単ではありません。たとえ情報部門の責任者が担当者となっても、CIOやCDOの資質となる経営視点を持ち合わせているとは限りませんし、逆に経営視点のある従業員であっても、ITに関する知識が欠けている場合も考えられます。

では、こうした役割を担える人材を自社に設置するためにはどうしたらいいのでしょうか。その一つの方法が、専門家の力を借り社内で育成するという方法です。

たとえば、独立行政法人中小企業基盤整備機構では、IT導入の検討や、実際の導入・運用に対するアドバイスを行い、企業内でのCIO候補者の育成を支援する「戦略的CIO育成支援事業」(※)というものを行っています。

(※) 独立行政法人中小企業基盤整備機構「戦略的CIO育成支援事業」

この事業の対象となるのは、高度なITシステムを導入により、経営課題の解決・経営改革を計画的に実施する意欲のある中小企業・小規模事業者です。具体的なIT構想や導入計画を持つ場合や、経営改革を行うためのIT構想を固めたい場合など、目的に応じたサポートを行います。

指導を担当するのは、CIO経験者をはじめ、ITコーディネーターや中小企業診断士など、企業のIT経営に十分な知見と実績を兼ね揃えている専門家たちです。2か月から1年程度の派遣を通じて、中小企業のCIO候補者の育成・支援を行います。

DXに取り組みたいものの、どのように始めて良いのかわからない企業は、こうした制度を利用し、社内でDX人材を育てるのも一つの方法と言えるでしょう。

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