中小企業でもカーボンニュートラルを達成する方法はある

中小企業でもカーボンニュートラルを達成する方法はある

日本政府は、2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする「カーボンニュートラル」を目指しています。中小企業でもカーボンニュートラルに取り組める方法を紹介します。

目次

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1.CO2排出量を「実質ゼロ」にすることはもう決まっている

「カーボンニュートラル」という言葉を、ビジネスシーンで耳にしたことがある人は多いでしょう。特に、2020年の秋以降は耳にする機会が増えたかもしれません。

2020年10月、当時の内閣総理大臣だった菅義偉首相は、2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする「カーボンニュートラル」を目指すことを宣言しました。この「全体としてゼロ」という言い回しは、二酸化炭素など温室効果ガスの排出量から、植林、森林管理などによる吸収量を差し引いて、その合計値をゼロにすることを意味しています。

菅内閣が打ち上げた、この「2050年カーボンニュートラル」の指針は、続く岸田文雄内閣でも引き継がれています。岸田総理は2021年11月2日にイギリスで行われた「COP26 世界リーダーズ・サミット」にて、2030年度に温室効果ガスを、2013年度比で46%削減することを目指し、さらに50%削減を目指して挑戦することを宣言しました。

しかし2030年度までは、すでに残り10年を切っています。2013年度から特にカーボンニュートラルにこれといった取り組みを進めていない企業は、これから数年間で、50%近い温室効果ガスを削減しなければいけないことになります。

環境省「脱炭素ポータル」

(※) 環境省「脱炭素ポータル」

2.カーボンニュートラルのために一番重要なこととは

企業がカーボンニュートラルを実現するためには、具体的にどのようなチャレンジをするのが有効なのでしょうか?

最も効果が大きいのが、「エネルギー起源のCO2排出量」を削減することです。「エネルギー起源のCO2」とは、発電、運輸、産業、家庭における加熱など、化石燃料を使った際に発生する二酸化炭素のことです。

環境省の調査(※)によると、2018年度の我が国の温室効果ガス総排出量は約12.4億トンでした。このうち、エネルギー起源のCO2排出量は10.6億トンと、総排出量の85%を占めていました。つまり、温室効果ガスのほとんどは、化石燃料から生まれていることになります。

(※) 環境省「2018年度(平成30年度)の温室効果ガス排出量(確報値)について」

エネルギー起源のCO2排出量を抑えるためには、化石燃料の使用をなるべく控え、再生可能エネルギーに切り替えていくことが求められています。

3.中小企業がカーボンニュートラルに取り組むための4つのステップ

資金に余裕がある大企業であれば、自社の敷地内に太陽光発電システムを導入するなどで、化石燃料の使用を控えることが可能です。しかし、資金や設備に乏しい中小企業は、どのようにカーボンニュートラルに取り組めば良いのでしょうか。

環境省では、これからカーボンニュートラルに取り組む中小企業に向け、「中小規模事業者のための脱炭素経営ハンドブック」という資料を作成しています。同資料では、(1)長期的なエネルギー転換の方針を検討する→(2)短中期的な省エネ対策の洗い出し、(3)再生可能エネルギー電気の調達手段の検討→(4)削減対策の精査と計画へのとりまとめ、という4つのステップを踏むことを推奨しています。

(※) 環境省「中小規模事業者のための 脱炭素経営ハンドブック」

(1)の「長期的なエネルギー転換の方針を検討する」とは、ビジネスで使用するエネルギーを、電気や水素エネルギーなど温室効果ガスの排出量が少ないものへ切り替えることを指します。たとえば、油やガスを使って温水を作る「ボイラー」を、省エネ効果が高いヒートポンプに転換したり、ガソリン車やディーゼル車からハイブリッド車や電気自動車に転換する、といったようなことが該当します。

(2)の「短中期的な省エネ対策の洗い出し」は、既存設備における稼働の最適化やエネルギーロスの低減といった、細かい省エネ対策が中心となります。たとえば空調機のフィルターの清掃や、窓の断熱性の向上、LED照明の導入といったことも含まれます。

(3)の「再生可能エネルギー電気の調達手段の検討」は、従来のような温室効果ガスの排出量が高い発電施設で作られた電気ではなく、太陽光発電など温室効果ガスが発生しない発電施設で作られた電気を使用することを指します。自社の敷地に太陽光パネルを設置することはもちろん、自然エネルギー100%の電力を他社から購入する方法もこれに該当します。

(4)の「削減対策の精査と計画へのとりまとめ」では、(1)~(3)の検討結果を振り返り、想定される温室効果ガス削減量と投資金額、光熱費・燃料費の増減を整理します。(1)~(3)の削減対策によって目標達成は可能か、より温室効果ガスを削減するためにどれだけ追加費用がかかるのか、2030年までの計画を組み立てていきます。

すでにいくつかの中小企業では、2030年に向けたCO2削減の計画を立てているケースもあります。早くからカーボンニュートラルに取り組むことで、対外的なアピールにも利用できます。

2030年まであと数年しかありません。直前になって慌てて準備をするよりも、今のうちから準備を進めておくのが良いでしょう。

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