純国産RPA「WinActor®」。
その導入方法から使い方まで

純国産RPA「WinActor®」。その導入方法から使い方まで

事務処理の自動化をかんたんに

パソコンを使った日々のデスクワークでは、定型作業、つまり決まった手順の作業を行うことがよくあります。そうした定型的な作業を自動化するソフトウェアとして、国内4,000社を超える企業に活用されているのが、RPA(*1)の「 WinActor® 」です。
本コラムでは、この「WinActor®」の特徴と、実際の操作方法、導入効果についてまとめてご紹介します。

*1 RPA:Robotic Process Automation(ロボティック プロセス オートメーション)の略称

昨今、中小企業の多くが人手不足を感じており、特に総務・経理の業務は、即戦力の確保が難しい、繁忙期に合わせて人材を配置することが難しいなどの理由で、業務への負荷が肥大しているという声をよく聞きます。
こういった背景から、ソフトウェア型ロボットが人間に代わりパソコン業務を行うRPAは、急速に関心を集めてきました。
今回は、ドコモが提供する「WinActor®」を詳しく解説することで、「業務効率化の推進は急務だが、果たしてRPAがベストアンサーなのだろうか?」とお考えのご担当者さまに疑問解消の手助けをしていきたいと思います。

純国産のRPA「WinActor®」とは?

WinActor®は、2010年にNTTの研究所で生まれた純国産のRPAで、NTTグループ内で社内利用され、機能改善が重ねられてきました。そして、2014年から法人のお客さま向けに販売を開始しました。
WinActor®は、純国産であるため日本語環境での操作性は抜群、社内利用での実績が長く、機能改善が重ねられてきたため、Windows®端末でのあらゆる操作がかんたんに行える、といったメリットがあります。
というのも、RPAは海外で先行して普及がはじまったことから、その多くは海外由来です。そのため、「日本語化」と謳っておきながら耳慣れないカタカナやプログラミング用語が残存している場合が多いのです。

そして、WinActor®が多数のお客さまに活用いただいている理由のひとつに、ほかのRPAに比べて導入・活用の敷居が低いという理由があります。その特徴についてご紹介します。

特徴1 導入の敷居の低さ

ある業務を効率化する際、一般的に「システム開発」を行うという方法があります。その場合、SEやプログラマーに仕様や要件を抜けもれなく伝える必要があります。コスト面では、数百万から数千万の金額、半年から一年以上の時間がかかってきます。
その点、「WinActor®」であればパソコン1台から導入できるので、システム開発に比べて、低コストで導入することが可能です。ほかのRPAでは、サーバーなどの特別な環境を必要とするものが多いため、WinActor®はRPAの中でも導入の敷居が低いと言えます。

※詳しくは、下部のお問い合わせ窓口よりお問い合わせください。

特徴2 活用の敷居の低さ

WinActor®を活用するにあたり、プログラミングなどの専門的な知識は必要ありません。シナリオと呼ばれる一連の作業手順を作成することになるのですが、その手順はそれほど複雑ではなく、人事・総務・経理・販売・営業など、IT専門の部門ではない現業部門の方でも、自ら容易に作ることができます。
また、メンテナンスや仕様の変更も上記の担当者が自ら行うことができるため、その都度SEやプログラマーに依頼をしなければならないシステム開発に比べて、格段に低いランニングコストとなります。

それでは、先ほど話題に出たシナリオ、WinActor®ではどのように作成するのでしょうか?
実際の手順をご紹介していきます。

WinActor®によるシナリオ作成の手順

WinActor®によるシナリオ作成の手順は大きく以下の2つだけです。

(1)自動化したいパソコン操作をWinActor®で記録する。
(2)記録したパソコン操作の手順(シナリオ)を編集し、シナリオファイル(=ロボット)を完成させる。

まず、手順(1)は、WinActor®の画面で、図1に示す「編集/記録」のボタンを押して、自動化したい作業をパソコン上で実行するだけです。

図1:WinActor®の「記録」ボタン
図1:WinActor®の「記録」ボタン

WinActor®では、表計算ソフトの「Excel」をはじめ、各種のWebブラウザやメール、さらには、お客さまが独自に開発したシステムなど、Windows ®パソコン上で動作するあらゆるアプリケーションの操作が記録できます。

こうしてWinActor®に記録されたパソコン操作は、「シナリオ」として自動的にフローチャート化されます。その「シナリオ」を編集画面で編集することで、シナリオファイルを完成させることができます(図2)。

図2:WinActor®のシナリオ編集画面の例
図2:WinActor®のシナリオ編集画面の例(画面内右がフローチャート)

手順(2)として、シナリオ編集画面で、あらかじめ用意されている「操作ライブラリ」をドラッグ&ドロップするだけで、シナリオに追加したり、機能を拡張したり、繰り返しや条件による分岐などの操作を設定することができます。たったこれだけの作業で、自動化したい作業を正確に再現したシナリオが作れます。

ちなみに、WinActor®における操作ライブラリは、メールの送信など、パソコン操作のなかでよく行われる処理を再生するための部品で、その数は400種類以上におよびます(図3)。
その内、Excelのライブラリだけでも108種類以上あるため、あらかじめ用意されたライブラリだけでも、非常に幅広い業務をかんたんに自動化できることがわかります。この数は、ある海外製品が同様のライブラリを22種類しか持たないことと比較すると、圧倒的な数であることがわかります。

図3:WinActor®における操作ライブラリの選択画面例(右画面は、ライブラリリストの拡大表示)
図3:WinActor®における操作ライブラリの選択画面例(右画面は、ライブラリリストの拡大表示)

これらのライブラリを使うことで、たとえば、「パスワード付でファイルを保存」といった細かい作業もかんたんにシナリオに追加できます。

それでは、WinActor®が得意としているのは、どのような作業の自動化なのでしょうか?

WinActor®活用はスモールスタートで継続的な見直しが鍵

まず基本的に、RPAが得意とする業務は下記4つの条件が当てはまるものです。
■情報がデータ化されており、その項目に規則性があるもの
■決まった頻度で発生する
■同じような処理を繰り返す必要がある
■処理方針や判断ルールが明確である

ただし、発生する回数が非常に多いが、各部署に共通している業務は、従来のシステム開発で効率化した方がよい場合もあります。
しかし、それ以外の個別の業務については、担当者自ら自動化することが可能なRPAツールの利用が適していると言えます。

WinActor®活用はスモールスタートで継続的な見直しが鍵01

また、導入時の考え方として、従来のRPAツールでは「どの業務をどこまで自動化する」のか、効率化の対象の業務は実際にはどういう手順で行われているのか、ということを事前に徹底的に整理する必要がありました。

この部分に時間と費用が掛かってしまうことが、RPAの導入を阻む一因となっていました。
しかし、WinActor®を導入する場合は、時間・費用のコストが低いため、まず自動化できる部分からシナリオを作成し、利用しながら断続的な見直し・改善を推進していくことが可能です。この点が、業務効率の成果につながりやすい方法となります。

WinActor®活用はスモールスタートで継続的な見直しが鍵02

ただし、紙資料などのパソコン外にある情報については、スマホやタブレットなどを利用し、OCR(*2)などの技術を組み合わせて自動化する必要があります。

*2:光学文字認識。印刷された活字の文章をデータとして扱うことのできる文字コードの列へ変換するソフトウェア

ドコモでは、OCRだけでなく、AIによる自然対話などのソリューションも提供していますので、RPA導入をトータルでサポートすることが可能です。
ほかにも、ドコモならではのRPA導入・活用に関するサポートをご用意しておりますので、ご紹介いたします。

ドコモならでは!「WinActor®」導入サポート

ここまでの説明のとおり、WinActor®は難解なツールではありません。それでも導入・活用を巡っては、『自動化する業務の検討が不十分だったために、期待した効果が得られていない』『自社にとっての投資対効果が見えてこない』『一般の事務担当者にとっては活用に一定のハードルがあり、現業部門でのシナリオの内製化があまり進んでいない』といった問題が起こることがあります。

そこで、ドコモではRPA導入の検討段階から、RPA商材の選定や自動化する業務選定などをサポートしております。

また、導入に向け、前向きにご検討いただけるお客さまに対しては、WinActor®の有償トライアルとして、WinActor®を実際にお使いいただきながら、「操作方法のレクチャー」や「代表業務の自動化支援」「投資対効果の検証・報告」などをサポートしております。
そして、本契約に際しては、「シナリオを内製化する体制づくりのお手伝い」や「WinActor®を適用する他業務の選定」「管理/統制に関するご提案」などのサービスもご提供します。

図4:ドコモによるRPAツールの導入支援
図4:ドコモによるRPAツールの導入支援

このほか、WinActor®の検証・導入フェーズにおける、ドコモならではのサービスとして、遠隔地からお客さまのロボット作成(ロボット内製)を支援したり、操作をレクチャーしたりするサービスも提供いたします(*3)。
さらに、WinActor®の本契約ののちにも、オンサイトでお客さまをサポートするサービスをご用意しています。

*3:2020年3月31日までの期間限定で無償提供

※WinActor®はNTTアドバンステクノロジ株式会社の登録商標です。

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