与那国町様 × NTTドコモ

「AI運行バス®」で交通弱者にやさしい街をめざす
沖縄本島から南西約510kmの位置にある与那国町は日本最西端の島。高齢化が進む町民の交通手段を確保するため、乗りたいときに、乗りたい場所で、誰でも簡単に乗車予約ができるオンデマンド交通システム「AI運行バス」の実証実験を行った。
道が狭い集落内にもたくさんのバス停を配置し、交通弱者と呼ばれるお年寄りなどが便利に利用できるか検証する。
また、その結果は「AI運行バス」の本格導入を含めた公共交通の整備に活用する予定だ。
業種 | 公共機関 |
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エリア | 九州・沖縄 |
従業員数 | 51名~300名 |
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実証実験内容
実証実験のサービス・ソリューション
AI運行バス®
ドコモの提供する次世代モビリティサービスです。
実証実験前・実験後の比較
実証実験の内容 | 確認できた効果 | ||
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1 | 巡回路線バスが運行していない時間帯をカバーする交通手段として、「AI運行バス」が町民のニーズに応えられるか検証したい。 | 1 | 町民から「乗車予約をすれば、すぐに利用できるので便利。乗車する機会が多くなった」という感想があった。町民のニーズに応えられている。 |
2 | お年寄りが使いやすいようバス停を多くして、それによる配車効率への影響と利用者の反響を確認したい。 | 2 | 小回りが利く車両で集落内のバス停を効率的に運行できる。自宅の近くにバス停ができたので、歩く負担が減ったと好評。 |
3 | 利便性の高い公共交通の整備を進めるために、「AI運行バス」を導入した際の運行効率を検証したい。 | 3 | 利用者からの肯定的な声や運行効率のよさが確認できた。「AI運行バス」の本格導入を含めた公共交通の整備が推進できる。 |
お客さまの声
実証実験のきっかけ車を運転しないお年寄りの移動手段として「AI運行バス」に注目した

与那国町は町営の無料巡回路線バスを運行していますが、利用者数と運行経費との兼ね合いで1日に9便しかなく、昼間は2時間間隔の運行になっています。車を運転しないお年寄りなどにとっては、診療所や買い物に行く時間にバスが運行していないという不便な状況がありました。この課題を解決するため、与那国町は「AI運行バス」に注目しました。
スマートフォンアプリなどから乗車予約をして利用する「AI運行バス」は、利用者がいるバス停への配車を最適化します。ですので、長時間待たせることがありませんし、運行経費も抑えられます。
まずは試しにということで、2018年3月に10日間、実証実験をしてみたところ、町民から高い評価を得ました。そこで今回は本格導入に向け、3か月間の実証実験をすることにしました。利用するお年寄りが長い距離を歩かなくてもよいよう、集落内にもバス停を設置し、その数も増やしています。配車効率にどのような影響があるか検証したいと思います。
実証実験の手応え利用した町民から「便利だ」という感想を聞いた、バス停を増やしたことで、お年寄りから「歩く負担が少ない」と好評

前回の実証実験では29か所だったバス停を、今回は44か所に増やしました。運行効率が落ちるのではないかと心配しましたが問題ありませんでした。「AI運行バス」の車両は小回りが利く大きさなので、集落の狭い道でもスムーズに走り、効率的に運行しています。
「AI運行バス」を利用した子育て中の母親からは「スマートフォンアプリから乗車予約をすれば、すぐに利用できるので便利。乗車する機会が多くなった」という感想を聞きました。島に来た観光客も「AI運行バス」を利用することがありますので、利用価値は大きいです。
与那国町では、スマートフォンを持っていないお年寄りにも気軽に利用してもらえるよう予約代行の態勢を整えました。利用したいとき、社会福祉協議会に電話をすれば職員がWEBサイトで乗車予約をしてくれます。診療所に行くときなどに利用するお年寄りは「自宅の近くにバス停ができたので、歩く負担が少ない」と喜んでいるそうです。
「AI運行バス」はデイサービスに通うお年寄りの送迎にも利用されています。お年寄りにやさしい街をめざす与那国町としては、今回の実証実験の結果を検証し、「AI運行バス」の本格導入を含めた公共交通の整備を推進していきたいと思っています。

島の周囲は約27km。町には祖納、久部良、比川という3つの集落があり、人口は約1,700名(2019年10月現在)。2007年に民営のバス会社が撤退したあと、町が無料巡回路線バスを運行。17か所のバス停を約1時間で巡回し、3つの集落をつなぐ。
検証システム


営業担当者からのメッセージ

株式会社NTTドコモ 法人ビジネス本部沖縄振興推進室 岡﨑貴浩
「AI運行バス」導入後に町民の方から「とても便利だった」「よかった」という声をいただき、導入に携わってよかったと実感しております。公共交通が少ない地域では移動手段として車が必要となり、車を運転できない方が移動するのが難しい状況です。「AI運行バス」は車に変わる生活の足として役立つサービスだと考えます。与那国町様での事例をもとに、より多くの地域で導入し、社会課題の解決に貢献できればと思います。
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- 掲載内容は2019年10月取材時点の情報です。