さくら市 健康増進課さま

アプリと時間栄養学で、アプローチが難しい「働き世代」の健康増進を実現

リボーンマジック

導入前・導入後の比較

導入前の課題 導入後の成果
1 従来の健康事業は平日に開催することが多く、働き世代の方々へのアプローチが課題でした。 1 アプリを使い、個人が自由に、好きな時間に取り組めるようにしたことで、働き世代の方も参加が可能になりました。
2 100人単位の健康増進事業を実施した経験がなく、集客が不安でした。 2 NTTドコモ担当者の協力のもと、チラシやSNSでの告知画像を作成して告知を重ね、十分な集客を行うことができました。
3 コロナ禍での感染対策が課題でした。 2 アプリを活用することで、時間や場所にとらわれず、個人が自由に健康増進に取り組めるようになり、感染リスクの軽減にもつながりました。

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1.生活習慣病予防の最重要世代「働き世代」の方々にどうアプローチしていくか

栃木県さくら市は2005年3月、旧氏家町と旧喜連川町の合併によって誕生した自治体です。県の中央からやや北に位置し、古くから城下町・宿場町として栄えてきました。市内には、市の名前の由来となった桜の名所が数多くあるほか、佐賀県嬉野温泉、島根県斐乃上温泉と並んで「日本三大美肌の湯」と称されている喜連川温泉もあります。
年々高齢化は進んでいるものの、令和元年度の合計特殊出生率は1.50と県内1位を記録するなど、子育て世代が住みよいまちづくりを積極的に行っています。2017年からは、現花塚隆志市長が「健康のさくら市づくり」を公約に掲げ、健康寿命の延伸に向けた各種施策事業を推進してきました。

さくら市健康福祉部健康増進課 課長 久保章さん

「さくら市国民健康保険の一人当たりの医療費は34.1万円(令和元年度)で、県内同規模自治体よりはやや低ものの、増加の一途をたどっています。また、医療費の3割以上を占めているのががんを含む生活習慣病で、なかでも糖尿病は最も高い割合を示しています。生活習慣病は、生活習慣の改善によって予防が可能なケースが多いことから、健康増進課としては対策の必要性を感じていました」(久保さん)

さくら市の医療費について(提供:さくら市健康増進課)

さくら市健康福祉部健康増進課 管理栄養士 佐藤結香さん

「花塚市長は「健康のさくら市づくり」やがん対策など、医療や福祉の充実を公約に掲げています。健康増進課では施策の一環として、健康ポイント制度の活用を検討していました。この制度を活用し、健康への関心が薄い方々にも生活習慣病予防のために取り組んでいただけるような事業を模索していました」(佐藤さん)

健康ポイントとは、インセンティブ(動機づけ)によって、普段運動する習慣がなく、自分自身の健康にあまり関心を持たない人々=健康無関心層の行動変容を促し、健康づくりに誘導するための施策です。さまざまな自治体が、健康ポイント制度の導入で健康無関心層の行動変容を促し、自ら健康づくりを行うようになることを目指した施策を実施しています。

「これまでもさまざまな健康づくり事業を実施してきましたが、平日の開催が多いこともあり、過去にご参加いただけたのはご高齢の方がメインとなってしまっていました。今回は生活習慣病の予防が目的であったことから、働き世代の方に多くご参加いただく必要があります。しかし、その忙しい世代の方にどうアプローチしたらよいのかが課題でした」(久保さん)

そんなとき、管理栄養士の資格を持ち、「時間栄養学」の考え方に共感を抱いた佐藤さんは、健康ポイント事業に時間栄養学に基づいたアプリ「リボーンマジック」を導入することを提案したのです。

「時間栄養学は、これまでの保健指導のように食事制限や運動に特化した内容ではなく、「いつ、どう食べるか」に着目した「栄養学」と「体内時計」の働きを組み合わせた新しい栄養学です。『リボーンマジック』の監修をされている小島美和子先生の講座に参加したところ、従来の指導とは違うその考え方に新鮮味を感じ、より理解を深めていきました。そして、自分自身でも時間栄養学を実践し、体調の変化を実感することができたので、ぜひこれは進めていきたいと思いました」(佐藤さん)

「『リボーンマジック』はスマートフォンアプリですので、今までアプローチすることが難しかった働き世代の方にマッチする施策になるのではないかと感じました」(久保さん)

「時間栄養学を用いて食事の時間や配分を意識すると、体調の変化だけでなく、内臓脂肪の減少にも効果が期待できると小島先生の講座で学びました。内臓脂肪は生活習慣病の危険因子であるため、リボーンマジックを活用し、からだの土台である生活と食事リズムを整えることで、危険因子の改善につなげたいと考えました。対象者も、前年度の健診結果で腹囲が基準値を超えている方にアプローチしようと決めました」(佐藤さん)

リボーンマジックのサービス説明

「新型コロナウイルス感染症の影響により、これまで健康増進課で実施していたような、参加者に集まっていただき、運動や調理実習を行うといった事業の継続は難しい状況になっていました。そうした点でも『リボーンマジック』にタイミングよく出会えたのは、幸運でした」(佐藤さん)

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2.集客はチラシでは詳しく、SNSでは直感的な表現で告知

さくら市では、「リボーンマジック」を活用した健康増進事業を働き世代を中心に100名限定で始めることにしました。

「対象者には、チラシを送付して募集を募りました。これまで実施してきた事業より多くの反応がありましたが、なかなか定員には達しませんでした。そこで、健診時の問診で”生活習慣改善意欲あり”と回答した方のうち”朝食を週3回以上抜く”や”間食習慣あり”など改善意欲があっても行動に取り組めていない方へもアプローチを広げました。それでも100名に達することが難しく、市のLINEやTwitterといったSNSも活用し、広く募集を募りました。」(佐藤さん)

こうした告知で反応がよかったのは、40~50代の女性。
健康づくりに関心がある層が見えて来たため、この層を対象に重点的にチラシを送付したり、SNSで発信したりして、3カ月ほどかけて集客を行いました。

「チラシやSNS告知用の画像のレイアウトについては、NTTドコモ担当者の方と何度も相談を重ねながら作成しました。チラシについては詳細な説明を載せ、SNS告知用画像については、パッと見たときの情報の伝わりやすさを重視しました。媒体の特性を意識して行った結果、これまでより、はるかに多くの反応がありました」(佐藤さん)

SNS告知用画像の例

さくら市として新たな取組みであるこの施策は、地元紙の下野新聞にも掲載されました。

「これまで健康増進課で行っていた参加型の事業は、多くても10数名の参加でした。100名規模の健康事業を行ったことがなかったので、まず100名集められるかどうかが不安でした。ですが、告知の期間を十分にとったことと、チラシやSNSでの告知を工夫したこと、事業内容自体が時代の流れや対象者にフィットしたことなどが相まって、無事に集客ができました」(佐藤さん)

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3.ゲーム感覚で取り組めたことで、継続率約7割を実現

さくら市民100名が取り組んだ「リボーンマジック」は、4週間の実施期間中、約7割という高い継続率を維持しました。健康ポイント制度を用いた事業としても大成功といってよい結果です。

「不安もありましたが、集客率、継続率のよさにとても驚きました。今までの事業と比較しても、実施した効果は大きかったと感じています」(佐藤さん)

終了後のアンケートでは、主観的健康観の向上も多く見られました。
特に、「目覚めがすっきりしている」「12時頃になると、適度におなかがすく」「午後も集中力が途切れない」という3つの項目で、顕著な改善が見られています。

「やはりゲーム感覚で取り組める点は魅力のようで、楽しく遊びながら健康習慣が身につくのが楽しいといった声が寄せられています」(佐藤さん)

アプリの機能については、「生活リズムの入力がよかった」という回答が多くありました。
普段はなかなか自分が起きた時間や、食事の時間を意識することがないため、それを記録することで、自分の生活を振り返る新鮮な体験が得られたようです。

ほかには、「リボーンマジック」で毎日表示される豆知識が参考になったという感想も多々ありました。
「生活習慣病予防というと、食事制限や運動ばかりに目がいきますが、『リボーンマジック』によって時間栄養学の考え方を身につけることで、生活習慣の改善につながった、今後も続けていきたいという声をたくさんいただきました。そうした声を聞くたび、日々無理なく健康情報を周知でき、自然と行動変容につながるこの事業を実施できたのはとても有意義だったと実感しています」(佐藤さん)

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4.好きなときに好きな場所で取り組める、時代に合った健康増進事業

「リボーンマジック」導入後、このように上々の反応があり、久保さんや佐藤さんもひとあんしんだったそうです。
さくら市では、ほかにも、2021年度にスポーツ庁が開発した「FUN+WALKアプリ」を導入し、「さくら健康マイル」として健康ポイント事業に取り組んでいます。

「今までは、こういうイベントをやりますので来てください、という集合型のアプローチしか行っていなかったので、アプリを利用した健康増進事業は、未知の世界でした。それにもかかわらず、多くの方々が『リボーンマジック』を継続して利用してくださったことには感謝しかありません。ご参加いただいたみなさまには、今回得た情報を、今後の生活にもぜひ生かしていただきたいと思います」(佐藤さん)
個人が自由に、好きな時間に取り組めるところは、時代にも合っていると佐藤さんは話します。

「これから先、コロナの状況下でも取り組める事業をどのように提供していくのかというのは、私たち行政の課題でもあります。コロナ禍の影響で、生活状況が変化した方もいらっしゃいます。今後も市民のみなさまのニーズに合った健康増進事業を検討し、提案していければと思っています」(佐藤さん)

さくら市は、「リボーンマジック」を自治体で利用したはじめての事例でしたが、非常に高い継続率を示したところや集客の方法などは、今後導入を検討している自治体のみなさまにとっても、参考になる点が多いことでしょう。

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導入サービス

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さくら市 健康増進課さま

目的 健康経営
業種 公共機関
エリア 関東

※ 掲載内容は2022年7月以前の情報です。


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